学部・大学院


こども保健学科 教員コラム

だるまさんが・・・

森田惠子(小児保健・看護学)



 4月「わくわくプレイルーム」では、“だるまづくり”をしました。紙粘土を丸めただけの簡単な“だるま”です。
“だるま”のモデルは、会津若松市の民芸品『起き上がり小法師』です。ご存知ですか?


コラム挿絵1  ← わが家の玄関に並ぶ小法師たち


 会津では、今から約400年前に作られ始めたそうです。会津の方々は、家族の人数に加え1つ多く揃えるようです。 その意味は、家に置き飾ることで家族の健康と安全を願うと共に、遊び心を感じる中に今日一日が平和であることを愛おしく感じる機会にもなる、とされています。

 まずは「わくわくプレイルーム」で、子どもたちの作った“わくわくだるま”を見てください。

 次に、保護者の方々の作られた“わくわくだるま”をご覧下さい。

 世界にたった一つしかない“わくわくだるま”には、「作り手の今」が詰まっているように感じます。
「今」、好感を持った形、妥協できる手触り、許せる匂い、好きな色、ひらめいた色、描きたいと思った姿、などです。
 そして、保育室に流れる温かく、穏やかな時間の中で、かけがえのない一人ひとり「今」の自分と他者への尊重が育まれていくように感じます。

 わくわくプレイルームでの遊び活動は、「コミュニケーション」をとても大切にしています。
 コミュニケ―ションとは、伝え合い、分かち合い、共有することと理解しています。
 保育場面では、その場を共有する者が、共に表現者として存在します。保育者としては、子どもたちの絵本を見聞きする姿勢、歌う声の調子、そして創られる作品に込められた「言葉にならない言葉」への感性や感受性を磨き続ける必要性を思います。
 わくわくプレイルームのスタッフとして、自分の身体を介する遊びをとおして、子どもたちが豊かに自分の世界を創りあげ、より成熟した時間を過ごせるよう、彼らと一緒に、小さくても確かな歩みを進めていきたいと思います。

 最後のオチといっては失礼ですが・・・学生と私のあまりに強欲で、未熟さあふれる“わくわくだるま”をどうぞ!



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