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薬学部コラム

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第33回

姫路のパワースポット

生理学研究室 山本 泰弘 准教授


書写山からの風景(2011年4月撮影)書写山からの風景(2011年4月撮影)

 外の空気も涼しくなってきて、秋も深まるこの頃、紅葉狩りもできる姫路の有名なパワースポットを紹介したいと思います。
 近年、パワースポットと盛んにテレビや雑誌で取り上げられていますが、そもそもパワースポットってなに?と、疑問を抱いておられる方も多いかと思います。明確な定義はあるものかと調べていましたら、日本のパワースポットに関する学会も発足しているようで、単なるブームを超えたものになっていることに驚きました。巷ではパワースポットに関するさまざまなガイドブックやインターネットサイトが存在しており、それらを参照しますと、パワースポットとは、「大地の力(気)がみなぎる場所」と考えることができるそうです。なるほど、古来より自然崇拝の対象となった山、大地、川などの雄大な自然そのものもパワースポットですし、お寺や神社は古来より多くの人が修験し、詣でた場所であり、パワーをもらえる人々の心の拠り所でした。そのような大自然や宗教的なスポットを訪れることによって、「特別な力」を感じることで、人によっては癒しを、あるいは仕事や勉強に対するやる気を得ることを目的とするのでしょう。そんな魅力的なパワースポットですが、本学のある姫路にもいいところがあったのです。
 前置きが長くなりましたが、今回ご紹介するのは、私が実際に訪れ、癒しと力の両方を与えてくれた、兵庫県姫路市にある書写山圓教寺です。姫路城の西北約6㎞に位置する、海抜371mの書写山の山上にある圓教寺は、康保3年(966年)性空上人によって開かれた天台宗のお寺です。比叡山、大山と並ぶ天台宗三大道場の一つに数えられ、古くから多くの信仰を集め、僧侶の修行の場として栄えたことから、「西の比叡山」と称され、全国から参拝者が訪れる、由緒正しい、正真正銘のパワースポットです。
 圓教寺の境内は書写山の山上一帯を占め、緑が生い茂る静かで美しい空間はまさに山岳寺院の様相を呈し、それは「祈りの山」の雰囲気十分の落ち着いた空気を醸し出す「癒し」です。また、山の斜面に面した参道を歩いていると、木々の間から目に飛び込んでくる下界を見下ろす風景は、大自然の雄大さを感じさせてくれます。言葉では言い尽くせない「パワー」がそこにはあり、それを感じた私はなんだか歴史に「励まされ」、大自然に「気合い」を入れてもらったような気がしました。きっとここを訪れた多くの人が同じような感想を持ったことでしょう。また冒頭にも述べましたが、これからの季節は秋の紅葉が見ごろです。厳かな境内と華麗な紅葉の共演、一見の価値ありです。滋味深い精進料理を味わえるお食事処もありますので、みなさんも、お仕事や勉強に疲れて「パワー」が欲しいなと思った際にはぜひ訪れてみてください。
 ちなみに圓教寺には書写山の麓からロープウェイに乗って行きますが、ここから見える景色も絶品です。なお、カーナビで検索する際は「圓教寺(円教寺)」ではなく、「書写山ロープウェイ」で検索しないと辿り着けない場合がありますので、ご注意ください。
 みなさんもお気に入りのパワースポット、見つけてみてはいかがでしょうか。


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