笹井 宣昌 [ササイ ノブアキ]

医療保健学部理学療法学科:講師
専門分野
○リハビリテーション科学・福祉工学(人間医工学) ○スポーツ科学(健康・スポーツ科学)
担当科目
○身体運動学 ○身体運動学実習【木4・5ペア】 ○生体制御運動学 ○総合臨床実習 ○理学療法研究法(卒業研究)【木1・2ペア】 ○理学療法研究法演習(卒業研究)【月4・5ぺア】 ○理学療法総合演習【金1・2ペア】 ○臨床見学実習 ○臨床評価実習
学生へのメッセージ
【自己紹介】「自己が望む運動パフォーマンスを身に付けるには、どうしたらよいのでしょうか?」
私は、その答えを追求しています。表象的な現象を理解すると共に、その現象に働く実体を、細胞・分子のレベルで明らかにして、関連するメカニズムを本質的に理解したいと考えています。
かつて、アルペン・スキー競技を行っていたときに、日常のトレーニング、或は、前十字靭帯断裂、その再建術とリハビリテーションなどの体験を通して、骨格 筋の肥大・萎縮、それに伴う筋力の増強・低下について、身を持って知ると共に、大変に興味を持ちました。ここに、私の現研究(下記参照)の原点が在りま す。
また、競技力の向上という観点より、どのようにしたら"スキル"を効率的に習得できるか?という点にも興味を持ちました。この点は、運動学習、特に、身体運動における巧緻性の獲得とも表現できます。こちらは、将来の研究への展望です。
これらの課題は、競技者のみならず、身体運動能力の維持・向上を必要とする全てのヒトに関わるものと信じて、研究に取り組んでいます。例えば、前者は、高 齢者や宇宙飛行士の筋力・健康維持に関連し、後者は、子供の運動発達や、損なわれた運動機能の回復・維持に関連します。
【教育目標】
私が担当する運動学講義・実習では、身体の構造と機能の関連、歩行、運動学習などの基礎について学びます。先人の先生方が明らかにした事実について、知る に留まらず、解釈することに注力しています。知る力、解釈力、思考力を高めることで、洞察力が向上して、皆さんの知的好奇心に着火できれば幸いと考えま す。
その様に、知的好奇心をかきたてることが、きっと、皆さんの"将来の自分らしさの確立"に役に立つのではないかとも考えます。
【現在の研究課題の紹介】
大目標:骨格筋の構造・機能の可塑性変化における機械刺激の意義と関連する分子メカニズムの解明
小目標:培養骨格筋細胞における機械刺激による肥大の分子メカニズム解明
一般に、骨格筋の量(筋量)が多ければ、筋力は強く、筋量が少なければ、筋力が弱いといわれます。実際に、錘やマシンを用いたウェイトトレーニングによ り、骨格筋が肥大して、筋力は増強されます。また、ギプス固定、長期臥床、或いは、宇宙飛行などでは、逆に、筋が萎縮して、筋力は低下します。
これらの現象から、錘、マシン、重力などにより、筋収縮に対抗する力学的負荷(機械刺激)が筋に加わることが、筋量と筋力の調節に重要であると、私は予想 しています。その様な考えは、すでに世界レベルで認識されていますが、今のところ、機械刺激の意義や、関連する分子メカニズムは十分に解明されていません。
私は、それらの解明に貢献したいと考え、培養骨格筋細胞を材料に研究を進めています。生体の筋線維と同様の横紋構造を持つ培養骨格筋細胞に、他動的伸張刺激(機械刺激の一種)を加えると、筋細胞が肥大することが分かっています。
現在、この筋肥大モデルについて、機械刺激により作動する分子メカニズムや、そのメカニズムと筋肥大の関連を解明することに取り組んでいます。
今後は、培養細胞で得られた結果を、動物個体を用いた実験に応用して、筋肥大のみならず、筋萎縮とその予防にも関連させて展開したいと考えています。
学歴
○名古屋大学 リハビリテーション療法学専攻 / 2007
○名古屋大学 リハビリテーション療法学専攻 / 2004
○名古屋大学 医学部 保健学科 理学療法学専攻 / 2002
○名古屋大学 理学部 分子生物学科 / 1993
学位
○リハビリテーション療法学修士
主な研究活動
論文、解説
- 『 Repetitive stretch suppresses denervation-induced atrophy of soleus muscle in rats. 』: Muscle Nerve 39(4), 456-462 (Agata N, Sasai N, Inoue-Miyazu M, Kawakami K, Hayakawa K, Kobayashi K, Sokabe M. -2009)
『 膝窩筋の位置と形 』:理学療法 23(6)875-9 (河上敬介, 今井和泉, 笹井宣昌, 縣信秀, 磯貝香 -2006)
『 腓腹筋の起始付近の筋腹および足底筋の位置と形 』:理学療法 23(5)767-71 (河上敬介, 今井和泉, 笹井宣昌, 縣信秀, 磯貝香 -2006)
『 鵞足を構成する筋の位置と形 』:理学療法 23(4)659-63 (河上敬介, 今井和泉, 笹井宣昌, 縣信秀, 磯貝香 -2006)
『 足部の母指球,小指球を構成する筋および足底方形筋の位置と形 』:理学療法 23(3)543-7 (河上敬介, 今井和泉, 笹井宣昌, 縣信秀, 磯貝香 -2006)
口頭発表・ポスター
- 『 筋の太さに影響を及ぼすシグナリング 』:大阪回生リハビリテーション研究会 (2008)
『 自己・傍分泌を介さない伸張刺激による培養骨格筋細胞の肥大 』:第43回日本理学療法学術大会 (2008)
『 伸張刺激による培養骨格筋細胞肥大の分子メカニズム- MEK/ERK 経路を抑制しても筋細胞が肥大した- 』:第42回日本理学療法学術大会(2007)
『 伸張刺激による培養骨格筋細胞肥大の分子メカニズム- Calcineurin/NFAT 経路を抑制しても筋細胞が肥大した- 』:第41回日本理学療法学術大会(2006)
『 培養骨格筋細胞の伸張刺激による肥大 』:第40回日本理学療法学術大会(2005)
『 伸張刺激により PI3K/Akt/mTOR 経路を介して引き起される培養骨格筋細胞の肥大 』:第10回理学療法の医学的基礎研究会学術集会(2005)
『 培養骨格筋細胞に周期的伸張刺激をくわえると Akt がリン酸化される 』:第39回日本理学療法学術大会(2004)
『 培養骨格筋細胞に周期的伸張刺激をくわえると Akt がリン酸化される-伸張刺激により放出される因子の関与- 』:第9回理学療法の医学的基礎研究会学術集会(2004)
受賞学術賞
- 第40回日本理学療法学術大会 優秀賞(2005)



