学生生活

2014年度タイ海外研修報告

学習支援センター  大崎 雅一(法学部)
1. タイ海外研修について

2015年にはASEAN経済共同体がいよいよ発足し、域内の「モノ」「ヒト」「サービス」の自由化が進み、さらなる経済発展が見込まれています。ASEAN加盟諸国の中でも、タイは足元で政情不安があるものの、インフラ環境の整備や外資系企業の集積度、また地理的優位性で他国より勝っており、ASEANはタイを中心に発展すると考えられています。このようなタイを訪れ、タイの社会や文化を学ぶのがこの研修の目的です。
姫路獨協大学学習支援センターの活動の一環として始めたタイ王国での海外研修も、今年で4度目となりました。今回は、外国語学部5名、法学部2名、医療保健学部1名の参加があり、 これまでで最も多い参加人数となりました。
今回の研修では、これまでの日系企業訪問や交流会のほかに、ラームカムヘン大学でのタイ語の研修と、タイ現地企業見学を加えました。参加学生たちは、ゼミも学部も学年も異なったため、準備もなかなか思うようには出来なかったのですが、現地では予定通りの行動をおこなうことが出来ました。
この研修に参加した学生ひとりひとりの個性に合った、より良いキャリアデザインを考える契機となったとおもいます。

2. 行動記録
2月18日(水) 関西空港17時20分発、スワンナプーム空港21時25分着
2月19日(木) 第4回日本語及び日本文化交流会(ラームカムヘン大学にて)
2月20日(金) ラームカムヘン大学の通訳実習に参加協力(ラームカムヘン大学のバスでアユタヤへ)
2月21日(土) 在バンコク姫路獨協大学卒業生との交流会
2月22日(日) ラームカムヘン大学の先生と学生の案内でチャトゥチャック・ウィークエンドマーケットへ
2月23日(月) ラームカムヘン大学でタイ語研修
2月24日(火) ラームカムヘン大学でタイ語研修
2月25日(水) ラームカムヘン大学とタイ商工会議所大学の講義に参加
2月26日(木) カルビー・タナワット社訪問
2月27日(金) バーンイングループ社訪問
2月28日(土) 帰国準備・自由行動
3月1日(日) スワナンプーム空港0時40分発、関西空港7時50分着
3. 研修について

3-1 日本語及び日本文化交流会

姫路獨協大学、桜美林大学・ラームカムヘン大学との日本語及び日本文化交流会は、朝9時から午後4時までという長時間にわたり、中身の濃い交流会となりました。

姫路独協大学、桜美林大学、ラームカムヘン大学学長、副学長との記念写真。交流会と会社訪問は、桜美林大学と共同で実施しました。 11月に本学を訪れたサイサイさんとマイさんの日本での研修の報告。

「Twitterのなかの若者ことば」の発表。

ご馳走になった昼食。

3-2 タイ語研修

ラームカムヘン大学の学生たちによる、タイ語講座は初めての試みでした。初日はなかなかうまく行かなかったようですが、2日目は前日の反省から資料を作り直してくれて、お互いに満足いく成果があげられました。今後も、この講座を続けていきたいと思います。

お昼はラームカムヘン大学の学食。

お互い、初めての経験でいろいろうまくいかないこともありましたが、楽しく学べました。

3-3 通訳実習のアシスタント

大学のバスでアユタヤに行き、学生の通訳の案内で世界遺産を見て回りました。バスの到着が遅れましたが、朝8時発で博物館と遺跡を5カ所まわり、18時大学着という行程で、アユタヤの有名な遺跡を学生のガイドで見ることが出来ました。ラームカムヘン大学の学生たちに一日中日本語を使うという経験をすることができ、学生同士親しくなれました。


ウィハーン・プラ・モンコンで記念写真

ワット・ヤイ・チャイ・モンコン寺院

3-4 カルビー・タナワット社訪問

カルビー・タナワット社の大山副会長(獨協大学2期卒)と松尾社長から、タイの社会と文化、カルビー社の事業展開の問題点や、そして、海外で働く意義などの講演のあと質疑応答をおこない、その後懇親会を持ちました。学生たちは、会社訪問で、副会長(実質の会長)や社長とお話をする機会を持つという経験を、今後の就職活動などで生かしてほしいとおもいます。

大山副会長、松尾社長からのプレゼンテーション。

大山副会長、松尾社長と記念写真。

3-5

バーンイン家が家族経営するBaan Ying Café & Mealの事務所、セントラル・キッチン、各店舗を見学させていただき、ランチをごちそうになりました。タイの人々の経済活動の一端を知ることが出来ました。


案内していただいた 副社長の
スプリーチャー・チャンサンジャイさん。


ご馳走になったタイ&フュージョン料理。


Central World店でお昼をご馳走になる。

3-6

タイ最後の夕食最終日は、お世話になった卒業生とラームカムヘン大学の若林先生と屋台でタイ料理を楽しみました。

一番高い料理で一品60バーツ(約240円)。

メインディッシュは、鍋料理チムチャム。

4. お世話になった卒業生からのメッセージ

ラームカムヘン大学  村崎 愛さん(2007年外国語学部卒)

毎年、瞳をキラキラと輝かせ何にでも挑む逞しい後輩達を見る度に、私も同じように過ごした時があったなと思い出します。私は、大学時代に外国で日本語教師をするとは考えてもいませんでした。人生とは何が起きるか分かりません。分からないから本当に面白いものです。色んなものを見聞きし感じたことはどんなに小さなことだとしても、これからの糧になるでしょう。皆さんの今後のご活躍を遠くから祈っております。また、来年度も素敵な後輩達と出会えることを楽しみにしております。



タイ商工会議所大学 壺坂 健さん(2011年大学院卒)

大学には自分次第で活かせるチャンスが溢れています。そのチャンスを利用して自分の視野を広げたり、自分の価値観を再確認したりすることは、非常に有意義なことだと思います。私は今タイで仕事をしていますが、私自身も在学中にタイ海外研修を通じて大きく成長し、今日に至っています。今回は卒業生として、タイで姫路獨協大学の学生さんたちとお会いし、いろいろお話をすることができました。若い皆さんから、新しい刺激をもらい、これからの活力になったと思います。そして卒業してもこのような繋がりを持てることに感謝しつつ、今後もより成長した姿を見せれるよう努力したいと思います。皆さんも様々な人と出会い、様々な経験をし、 大学時代のチャンスをステップとして、自分の夢をつかんでください。



井上雅司 さん

今回の研修で初めてタイに来たという学生がほとんどだと思います。
日本とタイの違いをどのように感じましたか?
おそらく日本とタイの違いに戸惑ったり、イライラしたことと思います。
そのような環境の中で、どうしてそうなのか、どうしたらいいのか、を考えることが大切だと思っています。
この研修で感じたこと、学んだことを大切にしてください。

5. 参加学生の感想

畠中 達也さん (法学部 3年次生)

ラームカムヘン大学では日本語学科の生徒と約10日間交流させていただきました。ラームカムヘン大学の生徒は日本にとても興味があり、アニメ、文化、食べ物などの話をしました。また、ほとんどの学生が将来、ガイドや通訳になって仕事に日本語を活かしたいと言っていました。 タイ商工会議所大学では、その日が大学のテスト期間であったこともあり、日本語学科の学生とはあまり話をできませんでしたが、話をした学生は日本にとても興味があり、日本語の勉強を始めて2年と言っていましたが話す日本語がとても流暢でした。 私は2つの大学の学生と交流してみて、日本語を学ぶ意識の高い学生はどちらの大学にもいて、その学生に差はないと思いました。また、私が交流したタイの学生たちは将来の仕事に活かすために日本語の勉強に取り組む姿勢が強かったです。 タイの学生たちの学ぶ姿勢を見習い、私も将来就きたい仕事に就くために毎日、勉強をしなければいけないと改めて思いました。



中井 一鋭さん (外国語学部)

アジア圏での研修は、今回のタイ訪問が初めてでした。滞在期間中は、主に現地の日本語を勉強されている大学生と過ごしました。しかし、なかなか日本語・英語が通じず、会話に苦労する場面が多々ありました。そんな中でどうやってコミュニケーションをとるか、試行錯誤しながら過ごす日々は自身にとって刺激的で貴重な体験となりました。
今回の研修では、海外で働くという新しい選択肢をも得ることができ、自身の今後の進路にポジティブな影響を大きく与えてくれたと思います。



平井 誠二さん (外国語学部)

ラームカムヘン大学・桜美林大学・姫路獨協大学のSNSを使ったプレゼンや、カルビータナワット社の社長の「日本人がタイで働いたときにどんなことが辛いか、或いは、日本人に仕事を与えると早め早めにする傾向があるけれど、タイの人は後回しにする傾向があるので、今日の5時にこの資料を完成させて持ってきて下さいという風に5W1Hをはっきり言わないと伝わらないといった、考え方の違いを意識して仕事をしている」というお言葉や、タイの学生たちにバンコクを案内してもらったことで、綺麗な高層ビルがたくさん立ち並んでいる一方で電線がからまってぐちゃぐちゃになっていたり、でも、タイの人はみんな本当に親切だったり、物価が安くてお金持ちでなくても生活が充分できることなど、新しい発見がたくさんありました!!またこのような機会があればぜひ参加したいです!



田原 瞬さん (外国語学部)

ファミリーで経営されている、バーンインという飲食店と、お菓子で有名なカルビータナワット社で見学・研修を行いました。 どちらも、タイ人に合った味や方針、雇用形態を実践なさっていて、柔軟な経営の仕方が学べたと思います。



梅岡 千翔さん (外国語学部)

カルビータナワットさんを訪問して興味深い話をたくさん聞かせていただきました。特に、従業員の子供への奨学金制度に驚きました。産休制度はもちろんのことですが、従業員の方のお子様に対してそのような支援をされていてすごいなと感じました。私も将来、母親になったときにこのような制度があれば嬉しいですし、会社のために頑張ろうと言う気にさせるなと思いました。
また、仕事を楽しむと言うことはすごく簡単なことに思えます。しかし頭では分かっていても気持ちがついて行かないのが実際の所かなと思っていましたが、気持ち次第で何事も大きく変わると話を聞いてそれは私達学生にとって勉強を楽しむことと同じだなと思いました。今後、何かに行き詰まりそうになったときはこの言葉を思い出し頑張っていこうと思います。



桑幡 大地
さん 
(外国語学部)

タイのラームカムヘン大学で日本語の授業に参加する機会がありました。それまでは日本語教師に関心がありませんでしたが、この授業に参加し日本語を教える難しさと楽しさを肌で感じ、今では日本語教師という職業は思っていたより楽しいかもしれないという気持ちになりました。これもラームカムヘン大学で日本語を勉強している学生の皆さん、現地での充実した毎日、タイという異文化が、私の考え方に影響したのだと思います。というわけで、3月中旬からまたタイに行ってきます。



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