姫獨スポーツ

悲願の1部リーグまで残る階段はあと一段!
4年ぶり2部リーグ昇格
女子バレーボール部

本学女子バレーボール部の現状と展望

関西学生バレーボール連盟春季リーグ(3部リーグ)において、本学女子バレーボール部が、関学大に次いで2位に入り、続く兵庫大との入替戦を制して4年ぶりに2部リーグ復帰を果たしました。今回の姫獨スポーツでは、就任から2年目の女子バレーボール部の薄木悟監督にチームの事や前半戦の戦いぶりを振り返って頂き、後半への抱負を語って頂きました。

監督・コーチへのインタビュー
(薄木悟 女子バレーボール部監督)

- 2部リーグ復帰おめでとうございます。早速ですが、女子バレーボール部の紹介をお願い致します

(薄木監督) 
現在、女子バレーボール部は部員7名(4年生2名、3年生2名、2年生1名、1年生2名)の小規模なクラブながら、毎週月曜日の練習オフ日を除いて毎日練習を行っています。

- 選手の皆さんをご紹介頂けますか?

(薄木監督) 
キャプテンの菅原未来(法学部4年)は、セッターではありますがスパイクもレシーブも出来るオールラウンダーで文字通り戦力的にチームの核ともいえる選手です。
同じ4年生の田中麻葵(外国語学部)は、レフトのポジションでアタッカーを務めています。チームの精神的支柱というべき存在ですね。自分の目から見て、彼女が居ることでチームが成り立っているのかなと感じています。
3年生の藤井真菜香(法学部)は、レシーブに魅力のある選手で、試合では最後まで諦めずボールを追いかけるチームでは一番元気のある選手ですね。春季リーグではリベロを務めてもらいましたが、勝負どころでは素晴らしいプレーを残してくれました。
もう一人の3年生、堀江ひらり(法学部)は、センターのポジションから多彩な攻撃が出来るポイントゲッターです。ケガもあって充分なコンディションではないんですが、気にせず一生懸命頑張ってくれる選手です。
    唯一の2年生は、藤澤美峰(人間社会学群)。サウスポーのアタッカーで、チームのポイントゲッターです。今のところ試合によって出来、不出来があるんですが、調子の良い時は素晴らしい活躍を見せてくれます。彼女は、入学当初は他のクラブチームで9人制バレーボールをやっていたのですが、3年生の藤井の後輩ということもあり参加することになりました。
1年生の岡村真衣(医療保健学部こども保健学科)は、キャプテンの菅原の対角でセッターをやってもらっています。本当に明るい性格で、「チームの元気印」として、どんな時でも声を出してチームを勇気づけたり励ましてくれる存在です。
もう一人の1年生、重舛志帆(医療保健学部こども保健学科)は、チームで一番小柄ですが、レシーブが得意で「拾いまくるバレー」を実現してくれている頼りになる存在です。彼女は、入学から間もない春季リーグ(3部リーグ)で、サーブレシーブ賞を獲得しました。

- バラエティに富んだ選手がいらっしゃるんですが、部員7名のクラブと言うのは、やはり、小規模ですね。

(薄木監督) 
人数的にも多くないので、特に土曜日や日曜日は普段出来ない試合形式の練習を行うために仏教大や関西福祉大、びわこ成蹊大、日ノ本学園高、明石商に出掛けることが多いですね。また、今回チャレンジリーグに参加が決まったヴィクトリーナ姫路とも合同練習をさせてもらっています。レベルの高いプロリーグの選手達を間近に見ることは選手達の大きな刺激になっていると思います。

- そのような中にあって4年ぶりに2部リーグへ復帰を果たされたのは素晴らしいですね。

(薄木監督) 
恐らく連盟の中でも平均身長が一番低いこのチームの持ち味は、とにかく「拾いまくって繋げるバレーボール」です。そのためには、どのようなトレーニングを積めば良いのかを選手達は、日頃から自分達で考えながら厳しい練習に取り組んでいます。

- 高校と大学とでは課外活動の練習は、質や内容が違うと言われますが?

(薄木監督) 
これは、あくまで個人的な考えなんですが、高校までのバレーボールは生活指導の一環という側面もありますのでトップダウンで監督の下での指導となりますが、大学でのクラブにおいては、選手達を一社会人として扱わないといけないと思っています。ですから、監督は命令者ではなく、スタッフ(助言者)として存在すれば良いかなと思っています。トップダウンで「やらせる練習」を押し付けることは、時代にも合わないと思いますし、自分達で考えるからこそ技術的にも伸びると考えています。彼女達は、卒業後、社会に出て行くことになります。その時、自分で考える力が何よりも必要となります。自分達で考えることは、そのためのトレーニングにもなればと思ってやっていますね。

- 本学のホームページにある女子バレーボールの中にも、キャプテンである菅原さんの「社会で愛される人間になる」という言葉がクラブの目標として掲げられていますね。

(薄木監督) 
(病気などで)特別な事情がある場合を除いて、自分で考えて動くことが出来ない者が、社会に出て役に立ったり、愛されたりしないと思います。この学生時代に、どんな嫌なことでも皆のために進んで行う姿勢を身に付けておけば、社会に出ても役立つ、愛される人間になれるのだと思っています。そのような「人間力」というものを育てられればと考えて指導を行っています。

- クラブの部員数にお話しが戻りますが、7名しかいないことはハンデが大きいと思いますが?

(薄木監督) 
もちろん苦労する面もありますが、一人ひとりに充分な注意を向けることが出来ることや、指導が行き届くメリットがあります。これを活かして今度の秋のリーグ戦で勝負がしたいなと思っています。

- 就任2年目になられて、戦力の把握や監督ご自身が考えられているバレーボールの形が出来上がりつつあると思うのですが?

(薄木監督) 
そうですね。もちろん、自分の中にも理想とするバレーボールはあります。でも、監督の考えるバレーボールと選手達のやりたいバレーボールが一致しないとダメですね。そのためにもコミュニケーションを充分にとって学生達と話し合いながらやって行きたいなと考えています。(チーム競技なので)喋らないとバレーボールは出来ません。

- 秋のリーグ戦に向けて今後の予定と抱負をお願いします。

(薄木監督) 
8月末に4泊5日の予定で静岡合宿を行います。ここでは、普段出来ない関東の大学との練習試合を数多く行いたいと思っています。また、秋季リーグでは、当然、上位のチームに勝つことを目標に戦いますが、当面は、今回同時に昇格した関学大、春季リーグ下位の同志社大、流科大の3チームに勝って2部リーグ残留を決めたいですね。彼女たちが持っている力を普段通り発揮出来れば、充分に可能なことだと考えています。

取材後記

前回の女子柔道部へのインタビュー取材でも感じたことですが、指導者の監督・コーチは、技術的な向上だけでなく、人間的な成長に主眼を置いて指導されているのだということが良く分かりました。また、監督・コーチは、命令者・指導者としてではなく、むしろ自助努力で成長しようとする学生達を一人の大人として尊重し、助言を送るアドバイザーとしての立場を守りながら選手達の指導に腐心しておられることに感動しました。今回の取材で薄木監督が話された、「自分にとってのバレーボールはあるが、それが選手達にとってのバレーボールと同じでなければ・・・」というお話が強く記憶に残ったインタビューでした。秋季リーグでの更なる活躍を期待したいと思います。