平成30年3月7日(水)、人間社会学群現代法律学類と法学部の刑事法系ゼミ(刑法ゼミと刑事訴訟法ゼミ)の課外授業として、加古川市にある少年院、加古川学園・播磨学園を参観しました。これまでは、播磨地域の刑務所を参観していましたが、少年施設の参観は今回が初めてです。ここ数年加古川学園の園長先生が、「刑事政策・犯罪学」の授業にゲストスピーカーとして来ていただき、少年院の現状を学生たちに講義してもらっており、その際、一度参観にお越しくださいと言われていたので、今回それが実現しました。
少年院は家庭裁判所の決定で保護処分として送致された少年を収容する施設で、おおむね12歳から20歳までの少年を収容しています(16歳未満の受刑者を収容することもあります)。なお、家裁による少年院送致は、刑罰ではなく、国親思想に基づく保護処分としての矯正教育という位置づけにあります。
加古川学園と播磨学園は、もともと別の施設でしたが、行財政改革の一環で、平成12年から、庶務管理部門を一つにまとめ、播磨学園を加古川学園の分院として運用する統合型の少年院となったはじめての施設です。収容定員は、加古川180人、播磨120人ですが、少子化の影響などで、収容者も減少、当日は、加古川156人、播磨36人が収容されていました。
この日の参観では、おもに、播磨学園の処遇区域を案内してもらいました。収容者が減少したことで使用していない一つの寮をまるごと広報施設として参観者の見てもらうにしており、収容少年たちが生活する様子がよくわかりました。
刑事法系のゼミは警察官志望が多く、刑事施設の参観に行くと、将来の進路に関してモチベーションが上がるようです。「犯罪学」の授業で、非行少年の処遇について詳しく講義していますが、「百聞は一見に如かず」、施設参観は、教室内での説明より何倍もの教育効果があります。
(文責・副学長 道谷 卓)