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2012年10月18日

総合教養講座「地域政策と地域貢献」(第2回)を開催(報告)[教務課・地域連携課]

10月3日(水)、姫路青年会議所理事長・株式会社ヤマヒロ専務取締役の三渡眞介氏を講師にお迎えし、「株式会社ヤマヒロの魅力づくりとその仕事の社会的意義」というテーマでお話をうかがいました。

  1. 元々2,000円から3,000円の国産材が、複雑な流通経路を通って、エンドユーザー段階では約55,000円の高値になる。ヤマヒロでは、中間段階の製材・プレカットなどを協働で行って経費を節減し、間伐など山林の維持のために投資をしている。県産材を用いた家づくりとは、CO2を固定させて、街にもう一つの森林を作り、山に新たな森を作る作業であり、地域環境の保全事業である。
  2. 戦後日本人は、豊かさを得たがゆとりを失った。日本の家の内装の美しさは、empty room にあったが、今や廉価な家財道具に満ち溢れている。また、京都の祇園では、街並み自体が価値を持っているため、何年たっても住宅価格は変わらない。しかし、姫路では10年たてば住宅価格は半額、20年たてば無価値になる。ヤマヒロは、日本の家づくり文化と街並みを大事にすることによって、街と暮らしの価値を高めることに努めている。
  3. ウィンストン・チャーチルによれば、「人が建物を作り、建物は人を作る。」ヤマヒロは、家づくりを通じて顧客の人生を良くしたいと願っている。昔は、土間・釜戸・囲炉裏など家の半分以上が「食」に使われ、台所は食の教育の場であった。しかし、今や、高さ85cmの流し台のあるシステムキッチンでは、台所でのお手伝いを通じて、小さな子供が料理を学ぶこともなくなり、現代の若者は総じて料理下手になっている。ヤマヒロではオープンスペースのキッチンを取り入れ、台所が団欒の場となる情愛のある家づくりを心掛けている。

受講者は、初めて聞く街並みやキッチンの話に、大変興味深く聞き入っていました。
(文責:大塚健洋)