10月2日(水)、総合教養講座「地域政策と地域貢献」(第2回)が開催され、常深進次郎・本学柔道部監督(前兵庫県立武道館館長、JICAカウンセラー)が、「武道を通じての国際感覚の育成」というテーマで講演をされました。常深監督は、青年海外協力隊員として、日体大卒業と同時に昭和47年4月から730日もの間、柔道による逮捕術を教えるために、マレーシア内務省警察局へ赴任されました。
講演概要は、以下の通りです。
武術は人をいかにして殺すかを追求するものであり、武道はルールを作って競い合い人間の成長をはかるものである。主要な武道として、柔道、剣道、相撲道、空手道、合気道、少林寺拳法、なぎなた、銃剣道があるが、オリンピック競技に採用されているのは、柔道だけである。
40年以上前、私がマレーシアに赴任して感じたのは、異なる常識を持った人々がいることであった。イスラムでは左手は不浄の手とされ、決して左手で子どもの頭を撫でてはいけないし、ラマダン(断食)の期間は昼夜が逆転している。全く異なる文化に出会って、多様な価値観に対する許容力が生まれた。皆さんも肌で感じ、国際感覚を成長させるために、青年海外協力隊(JICA)に参加することを勧める。
最後に、自分にできることを将来の夢とし、チャレンジしてもらいたい。また、童話に描かれているような、思いやりのある人間になってほしい。それはあるおじいさんが、週に一度ロバに乗って籠を担いで買い物に行っていた。なぜ籠をロバに乗せないのかと聞いたら、私を乗せているにもかかわらず、籠までロバに乗せたらロバがかわいそうだ。籠ぐらい私が持たないと、と答えたそうだ。
(文責:大塚健洋)