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2014年01月10日

播磨学II (第12回)開催(報告) [教務課・地域連携課]

12月20日(金)、FMゲンキのプロデューサー・パーソナリティの田口秀幸氏を講師にお迎えし、「FMGenkiラジオ『手柄山ピースフル・メッセージ』とは?」というテーマでお話しいただきました。講演要旨は以下の通りです。

姫路市の手柄山中央公園に「太平洋戦全国戦災都市空爆死没者慰霊塔」が建てられている。これは軍人や軍属に対する慰霊行事や施設があるにもかかわらず、約51万人にも上る一般市民の犠牲者を供養する施設は存在しなかったことから、建設されたものである。その中心になったのが、全国戦災都市連盟会長を務める当時の姫路市長・石見元秀であった。慰霊塔は総工費1億1000万円をかけ、昭和31年10月26日に完成した。塔をデザインしたのは高谷隆太郎で、地中に剣を突き刺した形は、不戦の意志を表している。

田口氏は足のけがのリハビリのために、偶然公園の石段を上っていて慰霊塔の存在に気づいた。そして戦争体験者の話を聞いて、戦争を生き抜いた人の声や慰霊塔に込められた願いを後世に伝えたいと、ラジオの対談番組「手柄山ピースフル・メッセージ」を、今日まで足かけ6年間続けてきた。この活動は各種新聞やNHKニュースでも取り上げられた。平成25年には、徳島・和歌山・岐阜県大垣の空爆体験を取材した。取材を終えて痛感したのは、体験は一人一人違うが、家族を失うことの悲しみは共通しており、家族ほど大切なものはないということであった。

(文責:大塚健洋)