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2014年06月27日

播磨学Ⅰ(第11回)「姫路名物 お菊―皿屋敷伝説」を開催[教務課・地域連携課]

6月20日(金)、姫路文学館の甲斐史子学芸員を講師にお迎えし、「姫路名物 お菊―皿屋敷伝説」というテーマについて、お話しいただきました。講演要旨は以下の通りです。

姫路に伝わる有名な伝説に、「播州皿屋敷」がある。これは室町後期の頃、姫路城を乗っ取った青山鉄山が、小寺家の家宝の10枚の皿で仲間をもてなしたところ、悪臣のひとり町坪弾四郎が1枚を隠して、お菊に罪を着せた。町坪はお菊を松に縛りつけ、「自分のものになるなら許してもよい」と言って、梅雨のなか青竹で折檻。しかしお菊は屈せず、町坪はついにお菊を斬り殺して庭の井戸に投げ込んだ。

その夜から、「1枚、2枚、…」と皿を数えるお菊の声が井戸のあたりから聞こえ、同時に皿の音ががらがらと屋敷に響くという祟りが始まった。その後、町坪は室津で遊女をしていたお菊の妹二人に討たれ、お菊は十二所神社に手厚く祀られるが、お菊の魂は、お菊虫となって年忌ごとに大量発生し、お菊の縛り付けられていた松は、毎年梅雨になると枯れ、梅雨が過ぎると元に戻ったという。

同様の伝説は江戸にもあり、岡本綺堂の戯曲「番町皿屋敷」として広まった。お菊伝説は、志賀直哉の『暗夜行路』や吉川英治の『黒田如水』、小泉八雲の「日本の庭」、京極夏彦の『数えずの井戸』などでも取り上げられている。

(文責:大塚健洋)