<< 最終更新日:2025年1月29日 >>
基本情報
時間割コード107713 開講期後期
科目名生物薬剤学
講義題目
開講学年3年
曜日・時限月1 単位数2
担当教員増田智先

詳細情報
授業内容
(到達目標を含む)
【概要・一般目標】薬物の多くは投与された部位から吸収され、循環血流を介して、体内の各臓器や組織に到達し、作用部位に移行する。そして、体内で受容体やその他の様々なタンパク質と結合して作用を発揮する。しかしながら、薬物は生体にとって異物であることから、体内で化学修飾(代謝)を受け、最終的に体外へと消失する。

 本講義では、このような薬物の生体内運命を理解するために、吸収、分布、代謝、排泄の諸過程に関する基本的知識を習得する。また、薬を安全に使用できるようになるために、薬の生体内運命を変動させる要因や代表的な薬の悪い飲み合わせについても理解する。

到達目標1:薬物の生体膜透過機構について説明できる
到達目標2:投与部位から体循環への薬物の吸収機構について説明できる
到達目標3:薬物と血漿タンパクとの結合及び組織移行など分布機構について説明できる
到達目標4:薬物代謝機構及びそれを担う代表的な酵素とその働きについて説明できる
到達目標5:薬物動態を制御する代表的なトランスピーターを列挙し、それらの役割について説明できる
到達目標6:薬物の尿中排泄機構及び胆汁中排泄機構について説明できる
到達目標7:病態時及び特殊背景を有する患者における薬物動態の変動機構について説明できる

※ディプロマ・ポリシーとの関連については、所属する学類・学科のカリキュラムマップを参照してください。

Y18-0310
授業計画
1 薬物の生体内運命(吸収、分布、代謝、排泄)の概要
E1-1-1-6
旧カリ C13-1-2-1、C13-1-2-4、C13-1-2-5
2 生体膜の構造及び栄養素の生体膜透過機構
E4-1-1-1、E4-1-1-2
旧カリ C13-4-1-3、C13-4-1-4
3 薬物の生体膜透過機構
E4-1-1-1、E4-1-1-2
旧カリ C13-4-1-3、C13-4-1-4
4 消化管からの薬物吸収
E4-1-2-1、E4-1-2-3、E4-1-2-4
旧カリ C13-4-1-1、C13-4-1-2
5 消化管以外からの薬物吸収
E4-1-2-2、E4-1-2-5
旧カリ C13-4-1-5、C13-4-1-6
6 薬物の分布とタンパク結合
E4-1-3-1、E4-1-3-2、E4-1-3-3
旧カリ C13-4-2-1、C13-4-2-4、C13-4-2-5、C13-4-2-6
7 特殊臓器への薬物分布
E4-1-3-4、E4-1-3-5、E4-1-3-6
旧カリ C13-4-2-2、C13-4-2-3
8 薬物の代謝:代謝酵素の種類、代謝部位
E4-1-4-1、E4-1-4-3、E4-1-4-4
旧カリ C13-4-3-1、C13-4-3-2、C13-4-3-3
9 薬物の代謝:反応様式
E1-1-1-9、E4-1-4-2、E4-1-4-5
旧カリ C13-4-3-4、C13-4-3-5、C13-4-3-6、
C13-4-3-7、C13-4-3-8、C13-4-3-9
10 薬物の腎排泄
E4-1-5-1、E4-1-5-2、E4-1-5-3
旧カリ C13-4-4-1、C13-4-4-2、C13-4-4-3、C13-4-4-7
11 薬物の腎以外からの排泄
E4-1-5-4、E4-1-5-5
旧カリ C13-4-4-4、C13-4-4-5、C13-4-4-6
12 薬物の生体内運命の変動要因:年齢、性差による変動
E1-1-1-7、E3-3-2-1、E3-3-2-2、E3-3-4-1、E3-3-4-2、
E3-3-4-3
旧カリ C13-1-1-6、C13-4-3-7、C15-3-1-1、C15-3-1-2、
C15-3-1-3
13 薬物の生体内運命の変動要因:疾患、遺伝的要因による変動
E1-1-1-7、E3-3-1-1、E3-3-1-2、E3-3-1-3、E3-3-3-1、
E3-3-3-2、E3-3-3-3
旧カリ C15-3-2-1、C15-3-2-2、C15-3-2-3、C15-3-3-1、
C15-3-3-2、C15-3-3-3
14 薬物相互作用:薬物動態学的相互作用
E4-1-2-4、E4-1-3-6、E4-1-4-5、E4-1-5-5
旧カリ C13-1-1-7、C13-4-5-1
15 薬物相互作用:薬力学的相互作用
E1-1-1-8
旧カリ C13-1-1-7、C13-4-5-2
教科書 谷川原祐介/井上勝央【編】生物薬剤学 改訂第4版(南江堂)2024年 ISBN978-4-524-40381-3
参考文献 栄田敏之【編】薬物動態学 第2版(廣川書店)2014年 ISBN978-4-567-48461-9
荻原琢男【編】わかりやすい生物薬剤学[第5版](廣川書店)2014年 ISBN978-4-567-48234-9
山本 昌【編】演習で理解する 生物薬剤学(廣川書店)2009年 ISBN978-4-567-48410-7
評価方法・基準
評価対象:定期試験、課題・小テスト、講義への参加度
評価基準:定期試験80%、課題・小テスト15%、講義への参加度5%
評価方法:到達目標1〜7について、定期試験(80%)を重視し、到達度を測定する。加えて到達目標1〜7について、課題・小テスト(15%)で講義内容の理解と技能の習得度合いを随時測定する。講義への積極的な参加度(5%)については、講義後の課題への質問や意見の内容等に基づいて測定する。

フィードバック方法:
試験や課題等については、Google Classroom等を通じて返却、講評を行う。
授業外における
学習方法及び
履修にあたって
の注意事項
毎回の講義終了時に理解を深めるための課題を課すので、各自の理解度を確認しながら復習すること。
講義前の予習:授業計画を参照し、各回のキーワードについて調べておくこと。また、講義資料を前もってClassroomを通じて配布するので事前によく読んでおくこと(90分程度)。
講義後の復習:自身でテキストをまとめるつもりで専用のノートを準備し、講義内容を各回のつながりが理解できるようにまとめておくこと。課題は、講義の復習も兼ねるので積極的に取り組み、次回講義開始時の振り返り(自己評価を含む)に備えること(90分程度)。