授業内容 (到達目標を含む) |
【概要】多くの医薬品や生体の成分は有機化合物であり、それらの性質を分子レベルで考えるためには、化学構造式に基づく有機化学の基礎的知識が必須である。本講義では、アルカン、アルケン、アルキン、芳香族化合物、ハロアルカンの構造、性質および反応性などを、基本となる炭素骨格ごとに、体系的に関連付けて説明する。
【目標】 有機化合物の基本骨格となる脂肪族および芳香族化合物の構造、性質、反応性などに関する基本的事項を説明する。合わせて、官能基を有する有機化合物のうち、ハロアルカンの性質、反応性に関する基本的事項を説明する。
本科目に対応する薬学教育モデル・コアカリキュラム(令和4年度改訂版)の小項目は以下の通り。
C-1-1 化学結合と化学物質・生体高分子間相互作用
C-3-1 物質の基本的性質
C-3-2 有機化合物の立体化学
C-3-3 有機化合物の基本構造と反応性
C-4-1 医薬品に含まれる官能基の特性
※ディプロマ・ポリシーとの関連については、所属する学類・学科のカリキュラムマップを参照してください。
※授業計画欄の学修事項の内容は、薬学教育モデル・コアカリキュラムを参照してください。
Y24-0147 |
授業計画 |
1 |
(アルカンの概要と命名)アルカンの概要、命名、基本的な性質、構造、異性体について説明する。
学修事項:C-1-1-1, C-1-1-4, C-3-1-1, C-3-1-2, C-3-2-1, C-3-2-2, C-3-3-1 |
2 |
(シクロアルカン)シクロアルカンの概要、命名、環のひずみ、配座異性体、アキシアル・エクアトリアル位について説明する。
学修事項:C-3-1-1, C-3-1-2, C-3-2-1, C-3-2-2, C-3-3-1, C-4-1-1 |
3 |
(アルケンとアルキン)アルケンとアルキンの概要、命名、基本的な性質、構造、異性体について説明する。
学修事項:C-1-1-1, C-3-1-1, C-3-1-2, C-3-2-1, C-3-3-2, C-3-3-3 |
4 |
(付加反応)アルケンの代表的な求電子的付加反応、カルボカチオン中間体、マルコフニコフ則を説明する。
学修事項:C-3-1-3, C-3-1-4, C-3-1-6, C-3-3-2 |
5 |
(酸化・還元反応)アルケンの代表的な酸化、還元反応を説明する。
学修事項:C-3-1-3, C-3-1-4, C-3-1-6, C-3-3-2 |
6 |
(中間まとめ)ここまでの講義内容について、まとめと補足を行う。中間試験のフィードバックを行う。 |
7 |
(芳香族化合物の概念と命名)芳香族化合物の概要、構造、基本的な性質、命名について説明する。
学修事項:C-1-1-1, C-3-1-1, C-3-1-2, C-3-1-3, C-3-3-4 |
8 |
(芳香族性)芳香族性を示すヒュッケル則、位置異性体について説明する。
学修事項:C-1-1-1, C-3-1-3, C-3-2-1, C-3-3-4 |
9 |
(芳香族求電子置換反応)ベンゼンの基本的な反応、求電子置換反応について説明する。
学修事項:C-3-1-3, C-3-1-4, C-3-1-6, C-3-3-4 |
10 |
(配向性)芳香族求電子置換反応の反応性、配向性、置換基の効果について説明する。
学修事項:C-3-1-3, C-3-1-4, C-3-1-6, C-3-3-4, C-4-1-1 |
11 |
(芳香族複素環化合物)代表的な芳香族複素環化合物の名称、構造、性質、芳香族性について説明する。
学修事項:C-3-1-1, C-3-1-2, C-3-3-4, C-3-3-5 |
12 |
(フェノール)フェノールおよび代表的なフェノール類の名称、構造、酸性、置換基の効果、分液操作について説明する。 |
13 |
(ハロアルカンの概要)ハロアルカンの概要、命名、構造と分極、ハロゲンの電子的効果について説明する。
学修事項:C-3-1-1, C-3-1-2, C-3-3-6, C-4-1-1 |
14 |
(求核置換反応・脱離反応)ハロアルカンの求核置換反応、脱離反応の概要と基本的な特徴を説明する。
学修事項:C-3-1-4, C-3-1-6, C-3-3-6 |
15 |
(最終まとめ)講義内容について、まとめと補足を行う。 |
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教科書 |
池田正澄・奥田格(監訳)「ブラウン・プーン基本有機化学」(第3版)、廣川書店、2006年、ISBN 4-567-23491-X |
参考文献 |
夏苅英昭・高橋秀依「有機化学」(第2版)化学同人、2008年、ISBN 978-4-7598-1622-8 |
評価方法・基準 |
評価対象:定期試験、中間試験 |
評価基準:上記の目標について、中間試験(30%)、定期試験(70%)を実施し、到達度を測定する。
中間試験と定期試験に関しては復習のため、試験終了後のフィードバックとして模範解答を配布し解説を加える。
<評価の指針> C 基礎薬学
1. 化学物質等の相互作用や酵素反応等の進行の様式や機構について説明する。
4. 医薬品等を物質(有機化合物あるいは無機化合物)として捉え、その物理的性質、化学的性質を説明する。
5. 有機化合物の構造と反応性を化学構造式に基づいて説明する。 |
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授業外における 学習方法及び 履修にあたって の注意事項 |
毎回の復習用に、授業内容に関する小テストまたは宿題を課し、次回の講義で解説する。
教科書の予習(90分)、教科書および配布講義資料の復習(90分)をすること。 |
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