授業内容 (到達目標を含む) |
概要:どの社会でも均一なことばが使われているわけではなく、社会におけることばのありかたは多様である。また、ことばをめぐってはさまざまな社会問題が存在する。社会言語学は、こうしたことばの多様性の解明やことばをめぐる社会問題の解決を目指して、ことばと社会のかかわりをあつかう研究領域である。この講義では、ひとつの言語の内部にあることばのちがい(言語変種)、複数の言語や言語変種の使い分け(ことばの選択)、言語変化に関する問題をとりあげて、社会言語学の基本的な考えかたを示す。いずれも身近な言語現象にかかわる問題なので、自身や周囲のことばを観察しながら考えていってほしい。
到達目標1:社会言語学の問題意識を理解する。
到達目標2:「言語変種」という概念を理解する。
到達目標3:言語選択がどのようにおこなわれているかを理解する。
到達目標4:言語変化の実態と言語変化のメカニズムを理解する。
到達目標5:社会言語学的な観点からことばを観察し分析する力を身につける。
ディプロマ・ポリシーとの関連については、所属する学類・学科のカリキュラムマップを参照してください。
I20-DJ03 L20-DJ03 E20-DJ03 |
授業計画 |
1 |
授業の内容・方針の説明/社会言語学とは:社会言語学の問題意識と主要な研究領域 |
2 |
言語変種とは/「言語」と「方言」のちがい |
3 |
地域方言(1) 日本語方言の分類 |
4 |
地域方言(2) ことばの東西差と周圏的分布 |
5 |
地域方言(3) 標準語化と気づかない方言 |
6 |
ことばの選択(1)多言語社会とことばの選択/小テスト |
7 |
ことばの選択(2)ことばの切換え:場面間切換えと会話内切換え |
8 |
ことばの選択(3)ことばの切換えのメカニズム |
9 |
言語変化(1)言語変化とは/小テスト |
10 |
言語変化(2)社会言語学では言語変化をどうとらえるか |
11 |
言語変化(3)言語変化のプロセス |
12 |
言語変化(4)言語接触と言語変化 |
13 |
言語変化(5)言語接触によることばの再編成/小テスト |
14 |
言語変化(6)自律的言語変化 |
15 |
まとめ |
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教科書 |
教科書は用いず、プリントを配布する。 |
参考文献 |
田中春美・田中幸子編著、よくわかる社会言語学、ミネルヴァ書房、2015年、ISBN=978-4-623-07269-9
岩田祐子・重光由加・村田泰美、概説 社会言語学、ひつじ書房、2013年、ISBN=978-4-89476-637-2
真田信治編、社会言語学の展望、くろしお出版、2006年、ISBN=4-87424-345-2 |
評価方法・基準 |
評価対象:講義参加、課題レポート、小テスト |
評価基準:評価対象:講義参加、小テスト、課題レポート
評価基準:講義参加20%、授業時の小テスト(3回)20%、課題レポート(2回)60%として評価する。
講義参加(授業時の議論への参加)によって到達目標5を、小テストによって到達目標1~4を、課題レポートによって到達目標1~5を評価する。
フィードバック方法:小テストは、返却時に解答例のプリントを配布し、解説をおこなう。課題レポートは授業時およびclassroomを通じてコメントする。 |
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授業外における 学習方法及び 履修にあたって の注意事項 |
①あらかじめ配布するレジュメのプリントには問いが設けてあるので、授業の進行にあわせて予習して答えを考えておく。②レジュメのプリントには要点しか記していないので、自分で内容をまとめたノートをつくって復習する。③配布資料を読み、課題レポートを作成する。(以上、計180分程度)
・課題レポートのテーマはclassroomに提示する。
・課題レポートは、1回は学期中、1回は学期末に提出。
・小テストは授業の進行状況に合わせておこなうため、授業計画に記した時間とずれることがある。 |