授業内容 (到達目標を含む) |
この授業では、音声学と音韻論の基礎を学ぶ。
音声学では、人間がどのように言語音を産出しているのか、それらの音をどのように記述・分析できるのかを学ぶ。さまざまな言語音の構音方法を体系的に理解し、国際音声記号(IPA)に対応させて聞き分け・発音・分析できるようになることを目指す。
音韻論では、言語話者が(意識的あるいは無意識的に)知識として持っている音素がどのようなものか、それが組み合わされて単語や文になる際にどのように発音されるのかを学ぶ。音素と音(おん)の違いを理解し、音声の分析方法に関係するさまざまな概念を利用して実際の音声を聞き分け・発音・分析できるようになることを目指す。
毎回最初に小テストを行うことで、前回学んだことを復習する。それから講義、グループワーク、個人作業によって課題をこなしていき、学んだ内容のより深い理解を促し、知識としての定着を図る。
将来、言語聴覚士として業務を行う際にその知識を活用できるよう、この授業の内容をきちんと習得してほしい。
ディプロマ・ポリシーとの関連については、所属する学類・学科のカリキュラムマップを参照すること。
到達目標1:言語音産出のしくみを理解し、さまざまな言語音について、国際音声記号(IPA)に対応させて聞き分け・発音・分析できるようになる。
到達目標2:言語音を分析するための概念(音節、モーラ、アクセントの種類など)を理解し、実際の音声を聞き分け・発音・分析できるようになる。
到達目標3:音素の組み合わせによる音(おん)の変化を分析するための概念(異音、口蓋化、無声化など)を理解し、実際の音声を聞き分け・発音・分析できるようになる。
S25-0252 |
授業計画 |
1 |
授業内容の説明、言語音を作るしくみ(発声・調音) |
2 |
母音の調音 |
3 |
子音の調音―調音点(調音位置) |
4 |
子音の調音―調音法(調音様式) |
5 |
子音の分類 |
6 |
音声と音韻、音韻表記 |
7 |
拍(モーラ)と音節 |
8 |
五十音図の発音(1)口蓋化、ア行~ナ行 |
9 |
五十音図の発音(2)ハ行~ワ行、拗音、外来語音 |
10 |
特殊音素(撥音、促音、長音) |
11 |
環境による音声変化 |
12 |
アクセント(1)日本語のアクセントの特徴 |
13 |
アクセント(2)日本語のアクセント型 |
14 |
アクセント(3)日本語のアクセントの実例 |
15 |
イントネーション、リズム、プロミネンス |
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教科書 |
猪塚元・猪塚恵美子『日本語の音声入門 解説と演習 新版』バベルプレス、2022年、ISBN: 978-4-89449-178-6 |
参考文献 |
斎藤純男『日本語音声学入門 改訂版』三省堂、2006年、ISBN: 978-4-385-34588-8
加藤重広・安藤智子『基礎から学ぶ音声学講義』研究社、2016年、ISBN: 978-4-327-337743
松森晶子・新田哲夫・木部暢子・中井幸比古『日本語アクセント入門』三省堂、2012年、ISBN: 978-4-385-36531-2 |
評価方法・基準 |
評価対象:小テスト、授業中課題、定期試験 |
評価基準:小テスト30%+授業中課題30%+定期試験40%
到達目標1、2、3とも、毎回の授業で実施する小テスト、授業中に実施する課題、定期試験において、必要な知識や技能が身についているかどうかを測定する。
課題に対しては、授業中に口頭で、またはGoogle Classroomを通じて、または次回授業の最初に復習として、フィードバックを行う。 |
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授業外における 学習方法及び 履修にあたって の注意事項 |
毎回復習をし、翌週の小テストまたは期末試験に備えること。場合によっては持ち帰りの課題を課すことがある。(目安時間毎回180分) |