授業内容 (到達目標を含む) |
漢文読解のルールを習得し、様々なタイプの漢文文献を読解できるようになることを目的とする。漢文は本来は中国語で書かれた文章でありながら、日本の古典でもあるという非常に特殊な性質を持っている。特に江戸時代を通じて日本人共通の教養となったがために、現在の日本の言語と文化を考える際にも忘れてはならない重要な役割を果たしている。本講義では、漢字が伝来して以来、日本人はどのような漢文文献を読んできたのか、またどのように漢字を利用してきたのか、ということに注目してテキストを選び、読解していく。日本人にとって「漢文」とは何なのか、ということを、体感的に知ることで、漢文を学び教えることの意義を再確認できると思うからである。
到達目標:
(1)漢文読解の基礎を身につける。
(2)中国から伝来した漢文と日本漢文のそれぞれの特徴について理解する。
(3)さまざまな漢文を読解する力を身につける。
卒業認定・学位授与について、国際言語文化学類ディプロマポリシーのうち、とくに以下の項目を達成することを目指す。
3.専攻する言語(英語・中国語・韓国語)を使用する人々の文化や社会などについての基礎となる知識を幅広く有し、自らの言語・文化のみならず、他の言語・文化を総合的に理解できる。
4.国際的視野を持ち、グローバルな舞台で活躍できる実践的な教養を有する。
5.国際社会と地域社会のいずれにも深い関心と洞察力を有し、行動できる。
I20-GJX2 |
授業計画 |
1 |
漢文と訓読 |
2 |
漢文の文法の基礎 |
3 |
訓読の方法①返り点 |
4 |
訓読の方法②送り仮名 |
5 |
書き下しの方法 |
6 |
漢文訓読の基礎の総括 |
7 |
漢籍選読①漢籍にはじめて登場した日本の記録(1)『漢書』「地理志」など |
8 |
漢籍選読②漢籍にはじめて登場した日本の記録(2)『三国志』「魏書」 |
9 |
漢籍選読③日本人が書いた漢文(1)『古事記』 |
10 |
漢籍選読④日本人が書いた漢文(2)『日本書紀』 |
11 |
漢籍選読⑤日本人が詠んだ漢詩−『懐風藻』 |
12 |
漢籍選読⑥日本人が好んだ漢詩−陶淵明、白居易など |
13 |
漢籍選読⑦日本人が見た中国−『入唐求法巡礼行記』 |
14 |
漢籍選読⑧平安貴族の書いた漢文−『御堂関白記』など |
15 |
漢籍読解の総括
到達度確認テスト |
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教科書 |
使用しない(プリントを随時配布する) |
参考文献 |
古田島洋介・湯城吉信『漢文訓読入門』(明治書院、2011)ISBN978-4-625-73400-7
加藤徹『白文攻略 漢文法ひとり学び』(白水社、2013)ISNB978-4-560-08632-2 |
評価方法・基準 |
評価対象:授業貢献度、定期試験、小テスト |
評価基準:授業貢献度(予習復習、積極的な発言など)30%、小テスト30%、定期試験40%
小テストは授業中に解答解説を行う。
また授業終了時にレスポンスカードを配布し、質問・意見などを募る。質問・意見については、次の授業の冒頭で回答する。 |
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授業外における 学習方法及び 履修にあたって の注意事項 |
事前に配布したプリントを授業までに読解し、語注・訳文をつけておく(60分)。
授業で読解した漢文を読み直し、理解を深める(60分)。
なお新型コロナウィルスの感染状況によって、授業形態が遠隔授業となる可能性がある。その場合は、授業計画は一部変更されることがある。 |