授業内容 (到達目標を含む) |
刑事訴訟法は、犯罪と刑罰を規定する刑法を実現するための手続を定めた法律です。
本講義では、まず、刑事訴訟法の基本原則を概観します。そのうえで、捜査→公訴提起→公判→判決確定という一連の刑事手続の流れに沿いながら、基本的な解釈論上の問題点について解説し、検討していきます。
また、テーマごとに、判例・学説および具体的な事例を取り上げ、知識の深化を目指します。
後期「刑事訴訟法B」では、公訴提起から公判に関する基本的な問題をピックアップして、解説します。
警察官を志す学生のみなさんには、履修を推奨します。
【到達目標】
①刑事手続の現実を理解する。
②刑事手続の基本理念を理解する。
③公訴提起から公判に関する基本的な解釈論上の問題点を理解する。
④刑事訴訟法の異本的な知識を活用し、事例解決能力を修得する。
⑤刑事手続に関する諸問題を指摘し、論理的思考力により、解決策を主張する能力を修得する。
*ディプロマ・ポリシーとの関連については、所属する学類・学科のカリキュラムマップを参照すること。
L20-DL01 I20-DL01 E20-DL01 |
授業計画 |
1 |
ガイダンス
刑事手続のプロセスを概観する |
2 |
公訴提起
不当不起訴・不当起訴の抑制方法を学修する |
3 |
公判準備
公判手続の流れを概観する
保釈・公判前整理手続を学修する |
4 |
公判手続
公判手続(冒頭手続・人定質問・証拠調べ手続)を学修する |
5 |
公判に関する制度
被害者参加制度について検討する |
6 |
訴訟の対象①
公訴事実と訴因を学修する
訴因の特定・明示について理解する |
7 |
訴訟の対象②
訴因の変更の要否について検討する |
8 |
訴訟の対象③
訴因の変更の可否について検討する |
9 |
証拠法①
証拠法の基本概念(厳格な証明・自由な証明)を理解する |
10 |
証拠法②
伝聞法則の意義を理解する
伝聞例外の要件を学修する |
11 |
証拠法③
自白の証拠能力について検討する
違法収集証拠排除法則の根拠と適用基準を学修する |
12 |
裁判①
裁判の効力(一事不再理効・二重の危険禁止の原則)を学修する |
13 |
裁判②
上訴手続(控訴・上告・抗告)を学修する |
14 |
裁判③
緊急救済手続(再審・非常上告)を学修する |
15 |
裁判員制度
裁判員裁判を学修する
裁判員制度の今日的課題について検討する |
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教科書 |
池田公博・笹倉宏紀『刑事訴訟法』(有斐閣、2022年)2310円(税込み)
ISBN 978-4-641-15091-1 |
参考文献 |
田口守一・佐藤博史・白取祐司『目で見る刑事訴訟法教材』[第3版](有斐閣、2018年)2200円(税込み)ISBN 978-4-641-13928-2
大澤裕・川出敏裕『刑事訴訟法判例百選』[第11版](有斐閣、2023年)3080円(税込み)ISBN 978-4-641-11567-5
学生の興味関心に応じて、適宜紹介します。
※使用する教科書・参考書について、ガイダンスの際に説明します。 |
評価方法・基準 |
評価対象:定期試験、課題レポート |
評価基準:定期試験(70%)、課題レポート(30%)。
到達目標①~④について、定期試験を重視し、到達度を測ります。
また、テーマごとに行う課題レポート(リアクションペーパー)により、理解度を測ります。課題レポートのフィードバックは、講義内で行います。
定期試験の講評は、Classroomに掲載します(予定)。 |
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授業外における 学習方法及び 履修にあたって の注意事項 |
[事前学習]90分
次回の講義で扱う内容について、教科書の該当箇所を通読すること。
事前に提示する参照条文・事件等を検索する。
[事後学習]90分
講義内容に関する教科書の該当箇所を熟読し、知識の定着をはかること。
レジュメをみなおし、ノート等で要点をまとめること。
※不明な点があれば、書き出し、次回講義時に質問できるよう、メモする。
警察官を志す学生のみなさんは、必ず履修してください。 |