授業内容 (到達目標を含む) |
組織行動論は、組織で働く人びとの行動を本質的に理解する学問であり、組織論のなかの一つの分野である。その理解をもとにして、組織内での個人や個個人の社会的諸関係に関わる課題や問題に対して、心理学、認知科学、経済学、社会学、人類学といった隣接する分野の知見を応用し、学際的に解決を図っていく。したがって、組織行動論は、組織内における個人、あるいは組織それ自体だけでなく、組織を取り巻く社会・文化・経済的な背景などを考慮に入れながら展開される。その研究対象となるのは、動機付け(モチベーション)、意思決定、リーダーシップ、対立(コンフリクト)、組織文化、集団力学(グループ・ダイナミクス)、個人や組織の自己認識(アイデンティティ)など多岐にわたる。
本授業では、まず個人に焦点を当て、集団のなかでの個人の内面の働きや変化、さらには個人から集団への働きかけを中心に理解を深めていった後、集団という視点から組織のマネジメントに焦点をあてる。組織の中で個人が、あるいは集団がどのような態度をとり行動するかについての基礎的な考え方や理論について理解を深めていく。
到達目標1:組織のなかの人間の行動に関する基礎理論を習得すること、特に個人が組織と関わる際の態度や行動に関する基礎概念や基本理論を理解する。
到達目標2:これら概念や理論で現実社会への理解を深め、身近な組織的な活動(クラブやアルバイト先など)に応用することができる。
到達目標3:集団の一員として他者とどのようにかかわるのか、何か問題が生じたときに、その改善策や解決策を自ら考え、実践に生かす力を身につける。
※学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)との関連については、所属する学類のカリキュラムマップを参照してください。
E24-DB01/DM01/DS01 |
授業計画 |
1 |
イントロダクション:授業内容、組織行動論の方法論 |
2 |
仕事におけるモチベーション:モチベーションの構造と諸理論 |
3 |
職務設計と内発的動機付け:内発的動機づけ、アンダーマイニング効果、職務特性モデル |
4 |
公平理論と組織的公正:組織内での評価の問題 |
5 |
個人の意思決定:意思決定、合理的意思決定と合理性の限界 |
6 |
集団での意思決定:集団的意思決定、社会的ジレンマ |
7 |
組織社会化:社会化とはなにか、組織による社会化 |
8 |
心理的契約と離職モデル:心理的契約、転職・離職 |
9 |
モチベーション論とリーダーの行動:モチベーションのプロセス |
10 |
組織を動かすリーダー:リーダーシップの諸類型と諸理論 |
11 |
グループ・ダイナミクス:集合知、集団的な協働における課題 |
12 |
コンフリクトと交渉:コンフリクト、解決手段としての交渉 |
13 |
文化とコミットコミットメント:組織の持続性とコミットメント、コミットメントを引き出す組織文化 |
14 |
組織アイデンティティ:アイデンティティとはなにか、組織アイデンティティと組織イメージ |
15 |
まとめ:これまでの授業内容のまとめ |
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教科書 |
鈴木竜太・服部泰宏(著)、2019年、『組織行動:組織の中の人間行動を探る』、有斐閣。
ISBN:978-4-641-15066-9 |
参考文献 |
授業中、適宜指示する。 |
評価方法・基準 |
評価対象:定期試験、授業への参加度、小テスト |
評価基準:評価基準:定期試験50%、課題レポート40%、授業参加10%の比率で総合評価する。
到達目標1、2及び3について、「定期試験」「小テスト」を重視し、到達度を測定する。また、到達目標1、2及び3については、「授業への参加度」で授業内でのコメントなどの積極的な発言内容について測定する。
「定期試験」「小テスト」については、講評やコメントという形で、Classroomを利用して、フィードバックする。 |
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授業外における 学習方法及び 履修にあたって の注意事項 |
[授業外における学習方法]
教科書を事前に60分読み、次回の授業の内容について考えてくること。また、事後に再度、教科書や指示された参考書を読むだけなく、授業で記したノートを整理すること(120分)。授業で紹介された理論や概念を自分の体験や新聞・雑誌などで取り上げられている働き方や組織経営の課題と関連させて考えてみること。
[履修にあたっての注意事項]
授業に関係のない私語や携帯電話やスマートフォンの操作など、他の受講生の迷惑となる行為は禁止する。 |