<< 最終更新日:2025年1月24日 >>
基本情報
時間割コード110394 開講期前期
科目名地理学(地誌を含む。)
講義題目
開講学年2年
曜日・時限金2,金3 単位数4
担当教員武市伸幸

詳細情報
授業内容
(到達目標を含む)
 この授業は,前半の授業では,まず,地理学の道具である地形図の読図方法を学びます.次いで,自然地理学の中の地形学について,世界の大地形の成因について学ぶとともに,中学・高等学校の教科書に記載されている地形について,各地形の特徴と成因およびそこで起こりうる災害について学びます。また後半の授業では,身近な景観観察や地理学的調査方法について学ぶとともに,「地理学的見方考え方」を身に付ける上で重要な方法である地域調査の手法について学びます。
到達目標1:地形図が読めるようになる.
到達目標2:日本の大地形の特徴を理解するとともに,地震活動や火山活動のメカニズムを知り,これらによりもたらされる災害について理解する.
到達目標3:身近に見られる各地形の特徴と成因を理解するとともに,そこで起こりうる災害について理解する.
到達目標4:地域調査の手法について理解するとともに,図表の作成や分析ができるようになる.
到達目標5:地域調査を通して自分の住んでいる地域の特色を知る.
この授業は教職課程の必修科目です。教職課程の人は必ず受講してください。なお,教職課程以外の人のディプロマ・ポリシーとの関連については,所属する学類・学科のカリキュラムマップを参照してください。

I16-DB04 E16-DB04 L16-DB01
授業計画
1 地理学的見方・考え方について(地理学的見方考え方の説明を行うとともに,例を示して具体的に示す)
2 地理学の野外観察について(具体的な例を挙げながら野外景観の意味を考える)
3 地形図1(地形図の概説と地形断面図の作成,尾根・谷の理解について)
4 地形図2(姫路周辺の地形について)
5 山岳地形(デービスの地形輪廻と造山帯,山岳地形の特徴について)
6 活火山(火山地形の分類と特徴,プレートテクトニクスについて)
7 山岳地形と活火山の例(上高地,有珠山,摩周湖を例として,山岳地形と活火山の特徴を地形図から読み取る)
8 地震と火山1(地震の概説と地震災害について)
9 地震と火山2(火山の噴火形式と火山災害について)
10 地すべり地形1(地すべりの成因・特徴と地すべり地形の判読について)
11 地すべり地形2(地すべり災害と地すべり調査の方法について)
12 沖積平野の地形1(平野の地形の概説.扇状地についての説明と地形図からその特徴を読み取る)
13 沖積平野の地形2(氾濫原,三角州についての説明と地形図からその特徴を読み取る)
14 地下水と河川水(地下水の形態と利用,大陸の河川と比較した日本の河川の特徴などについて)
15 日本の河川の特徴(東北日本と西南日本の河川の特徴の比較)
16 サンゴ礁とカルスト地形(石灰岩地域の地形の特徴の説明と大東島,秋吉台を例として地形図からその特徴を読み取る)
17 海岸地形(海岸地形の概説と海岸段丘,陸繋島などについて)
18 地域調査1(地域調査の手法の概説,散布図・階級区分図の作成)
19 地理学的調査方法の習得1(高知市の公衆浴場数の変遷を例としてレポートの章立てを学ぶ.また,相関分析の手法について理解する)
20 地理学的調査方法の習得2(公共交通に対する利用者の意識の調査を例として,グラフの作成と分析手法について学ぶ)
21 地理学的調査方法の習得3(高知県の集落の人口・世帯数の減少過程を通して,山村地域の人口問題を考える)
22 地理学的調査方法の習得4(兵庫県の気候1:兵庫県の気温・降水量の特徴について,兵庫県を瀬戸内側・中央高地・日本海側に分け,雨温図を作成して比較する)
23 地理学的調査方法の習得5(兵庫県の気候2:兵庫県内各地の水収支とため池分布の関係について,等値線図を作成して考える)
24 地理学的調査方法の習得6(年輪幅と気候変動との関連について,両者の経年変化のグラフの作成して考える)
25 地域調査2(地域調査の方法1:瀬戸田町のレモン栽培を例として分析方法を学ぶ)
26 地域調査3(地域調査の方法2:兵庫県の漁業を例として地域の比較について学ぶ)
27 地域調査4(地域調査の方法3:豊岡盆地の霧の変化について,霧日数減少の原因を霧日数と気温の経年変化図を作成して考える)
28 地域調査5(レポート作成の資料の収集を行う)
29 地域調査6 (収集した資料の比較・分析・検討を行う)
30 地域調査7(課題レポートの発表・討論・提出)
教科書 なし。
講義資料を配布して行います。
参考文献 山野明男『コンターからみた日本の姿』(あるむ),2013年,ISBN:無し
水谷武司『防災地形』(古今書院),1982年,ISBN:無し
渡辺光『地形学』(古今書院),1975年,ISBN:無し
評価方法・基準
評価対象:授業への参加度、課題レポート、小テスト
評価基準:評価は,授業時の提出物と各時間の復習課題40%,小テスト20%,課題レポート40%の比率で総合評価する。

評価方法:各到達目標について,授業中の積極的な発言および教員の質問への解答等で「授業参加」の割合を測定するとともに、「小テスト」および「授業時の提出物」や「各時間の復習課題」により授業の予習・復習の程度と授業内容の理解度を測定する。加えて「課題レポート」で講義内容全体についての理解度を測定するとともに,各自がどれだけ独自に調べてまとめたかを測定する。

フィードバック方法:
各時間ごとの課題については,Classroomに解答例を示すとともに,特に注意を要するものについては授業中に再度説明を行う。課題レポートについてはClassroomを利用して各学生にコメントと評価を返却する。
授業外における
学習方法及び
履修にあたって
の注意事項
各時間の予習として,高等学校で学んだ地理(地形単元)および地学基礎(固体地球とその変動)の復習を行うこと。
授業の復習として復習課題を出すので,各自調べて授業時提出あるいは発表すること。また,授業ノートプリントと復習課題の範囲から数回小テストを行うので毎回復習をすること.授業内容は授業終了後にClassroomに出すので,授業の復習や課題を含めて次の授業までに3時間以上予習・復習を行うこと.復習課題や提出物,小テストの評価は総合評価に含まれます.
なお,課題レポート作成の予備調査として,中学校の社会科または高等学校の地理の教科書の地域調査の単元を復習し,課題レポートのタイトルを考えるとともに,各自家庭学習時間を使って資料収集を行ってください.
[注意]:授業者は毎回の授業を重視しています.そのため復習課題や作業等の課題を多く出します.これらの課題の提出ができない人は単位の認定が難しくなりますので十分注意してください.また,板書事項はしっかりとノートプリントに写して,授業の予習・復習を行ってください.