授業内容 (到達目標を含む) |
【概要・一般目標】我が国の医療が抱える問題の一つに、高い質の医療提供への要求や、急激な高齢化を背景とした年々増大する医療費に対して、どのようにしてその適正化を図るかが挙げられる。資源は有限であり、無限には存在しない。広義において医療経済学とは、医療にかかわる様々なことがらを分析・評価し、医療政策にも及ぶ広範な学問領域をさす。その一部として、医薬品の医療に及ぼす影響(結果)と費用を定量的に評価・研究する学問領域があり薬剤経済学(医薬経済学)と呼ばれている。これらの目指すところは、社会全体の資源の効率的配分の実現である。そのためには、制限された資源の中で、医療の質をおとすことなく、社会全体にとって最適な医療技術を選択し、医療の効率化を図ることが重要なポイントとなる。本講では、現在の医療制度を理解するとともに、医薬品を分析対象とする社会経済評価の手法、その考え方を理解することを目標とする。
【到達目標】①現在の医療保険制度、介護保険制度の概要を説明できる。②医薬品を対象とした費用対効果評価の意義、手法を概説できる。③費用対効果評価の結果を解釈することができる。
E20-DMO2 |
授業計画 |
1 |
医療経済学概論 |
2 |
社会保障制度と年金制度 |
3 |
医療保険制度 |
4 |
国民医療費の動向 |
5 |
介護保険制度 |
6 |
薬価基準制度 |
7 |
診療報酬と調剤報酬 |
8 |
経済学の基礎知識 |
9 |
医薬品の経済評価はなぜ必要なのか |
10 |
薬剤経済評価の方法論 、意思決定分析の基礎 |
11 |
経済評価におけるコストとアウトカム |
12 |
決定樹モデル・不確実性の評価(感度分析) |
13 |
マルコフモデル |
14 |
医薬経済評価ガイドラインの動向 |
15 |
例題を用いた演習 |
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教科書 |
恩田光子、砂川雅之、森脇健介、栁澤振一郎.共著「詳説 薬剤経済学-第4版」京都廣川書店,2023. ISBN978-4-910844-14-5 |
参考文献 |
鎌江伊三夫、林良造、城山英明.監修「医療技術の経済評価と公共政策」じほう,2013. ISBN978-4-8407-4373-0 |
評価方法・基準 |
評価対象:定期試験 |
評価基準:上記の到達目標について、定期試験(100%)を実施し、到達度を測定する。 |
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授業外における 学習方法及び 履修にあたって の注意事項 |
講義の内容については、90分以上かけて復習しておくこと。 |