<< 最終更新日:2025年1月28日 >>
基本情報
時間割コード107516 開講期通年
科目名薬物副作用論
講義題目
開講学年6年
曜日・時限 単位数2
担当教員栁澤吉則

詳細情報
授業内容
(到達目標を含む)
【概要・一般目標】医薬品を使用する際、化学構造や薬理作用が異なっていても同一の副作用が惹起されることがある。逆に、同一医薬品においても患者によって発現する副作用の種類、機序などは大きく異なる。そこで、本講では医薬品による副作用発現のメカニズムに関して、薬理学的側面、生理学的側面および遺伝学的側面から系統的に学び、個々の副作用に対する適正な予防法や軽微な段階で発見するための方法、さらには有効な対処法や治療方法に関して学習する。また、医薬品の副作用に関しての歴史的、社会的要因についても学習する。医療における医薬品のリスクを回避できるようになるために、有害事象(副作用、相互作用)、薬害、薬物乱用に関する基本的事項を修得する。
本講はディプロマ・ポリシーの1.薬剤師の使命に関する資質・能力を養うものである。

【到達目標】
到達目標1:薬物の主作用と副作用、毒性との関連について説明できる。E1-4-1 旧カリ C13-1-3-1
到達目標2:薬物の副作用と有害事象の違いについて説明できる。E1-4-2 旧カリ C13-1-3-2
到達目標3:以下の障害を呈する代表的な副作用疾患について、推定される原因医薬品、身体所見、検査所見および対処方法を説明できる。血液障害・電解質異常、肝障害、腎障害、消化器障害、循環器障害、精神障害、皮膚障害、呼吸器障害、薬物アレルギー(ショックを含む)、代謝障害、筋障害 E1-4-3 旧カリ C13-3-3-1~4
到達目標4:代表的薬害、薬物乱用について、健康リスクの観点から討議する。(態度)E1-4-4 旧カリ C17-1-8-1 
到達目標5:代表的な薬害の例(サリドマイド、スモン、非加熱血液製剤、ソリブジン等)について、その原因と社会的背景及びその後の対応を説明できる。A-1-3-6 旧カリ C17-1-8-1

※ ディプロマ・ポリシーとの関連性については、薬学部のカリキュラムマップを参照してください。

Y13-0617
授業計画
1 薬物の主作用と副作用の定義、毒性の概念
E1-4-1、E1-4-2、E1-4-3 旧カリ C13-1-3-1
2 医薬品相互作用、薬物動態学的相互作用と薬力学的相互作用
E1-4-1、E1-4-2、E1-4-3 旧カリ C13-1-1-7
3 医薬品の主たる副作用(1)代謝障害、骨障害
E1-4-1、E1-4-2、E1-4-3 旧カリ C13-3-5-4
4 医薬品の主たる副作用(2)肝障害、腎障害、電解質異常、血液障害
E1-4-1、E1-4-2、E1-4-3 旧カリ C13-3-3-1、C13-3-2-4
5 医薬品の主たる副作用(3)循環器障害
E1-4-1、E1-4-2、E1-4-3 旧カリ C13-2-4-1~4
6 医薬品の主たる副作用(4)呼吸器障害
E1-4-1、E1-4-2、E1-4-3 旧カリ C13-2-4-1~4
7 医薬品の主たる副作用(5)消化器障害
E1-4-1、E1-4-2、E1-4-3 旧カリ C13-3-4-1~3
8 医薬品の主たる副作用(6)泌尿器・生殖器障害、神経・精神・筋障害
E1-4-1、E1-4-2、E1-4-3 旧カリ C13-2-4-1~4
9 医薬品の主たる副作用(7)感覚器障害、全身障害、ショック、過敏症
E1-4-1、E1-4-2、E1-4-3 旧カリ C13-2-3-1~2
10 医薬品の主たる副作用(8)皮膚障害、アレルギー、抗悪性腫瘍薬
E1-4-1、E1-4-2、E1-4-3 旧カリ C13-3-6-3
11 副作用の発生メカニズム
E1-4-1、E1-4-2、E1-4-33 旧カリ C13-1-1-1~7
12 副作用の鑑別と治療
E1-4-1、E1-4-2、E1-4-3 旧カリ C13-4-5-1~2
13 一般用医薬品の副作用
E1-4-1、E1-4-2、E1-4-3 旧カリ C18-3-4-1~3
14 トキシコゲノミクスと個別化医療
E1-4-1、E1-4-2、E1-4-3 旧カリ C15-3-1-1~3
15 薬害の変遷と問題点
A-1-3-6、E1-4-4 旧カリ C17-1-8-1
教科書 なし。適宜、資料を配布する。
参考文献 日本医薬品安全性学会、医薬品副作用アセスメント、南山堂、2018年、ISBN=978-4-525-77501-8
評価方法・基準
評価対象:定期試験、課題レポート、小テスト
評価基準:上記の到達目標について、定期試験52%、課題レポート20%、小テスト28%の比率で総合評価する。
到達目標1、2、3および5については、「定期試験」「課題レポート」「小テスト」により到達度を測定する。
到達目標4については、「課題レポート」により過去の事例について適切に調査が行われていること、討議の中で自分の意見が述べられていることを測定する。
授業外における
学習方法及び
履修にあたって
の注意事項
・持ち物:インターネットに接続可能な機器 例:スマートフォン、タブレット、ノートパソコン等。
・課題レポート、小テストは講義中に解説を行う。定期試験は終了後解答を提示するとともに内容に関する質問を受け付ける。
・予習:毎回授業前に課題レポートを出題するので、適切な文献等で調査を行い提出すること。(90分程度)
・復習:各回の授業終了時、まとめるべき事項を指示するので、定期試験までに(好ましくはその週の間に)作成しておくこと。(90分程度)
・課題レポートは下記の項目順で作成すること。
 レポート種別、タイトル、筆者氏名、所属、提出日(年月日)、緒言、方法または講演年月日・場所・演者氏名・所属、結果または講演内容、考察、謝辞(なければ省略可)、参考文献
・詳細な書式については講義開始前別紙にて指定する。
・予習課題レポート、復習まとめの作成時、文献、書籍、インターネットページを参照する場合、下記のもの用い、参考文献として記載すること。参考文献として適切かどうか不明な場合は担当教員に確認すること。
1.国際学術会議(ICS)に加盟する学術団体またはこの会議に加盟する学術アカデミーの協力学術研究団体等二次所属団体が発行する学術雑誌に掲載の文献。(いわゆる学術論文、総説等)
2.国際機関、政府、地方自治体、独立行政法人等の(国際的に承認されているもの、またはそれに属するもの)の公文書で作成年が明記されているもの。(例:添付文書、WHOや行政機関の通達等)
3.上記主権国家の政府が認定、認可した医療関係団体、これらに附属・所属する組織または教育機関が作成し公開されている文書で作成年が明記されているもの。(図画及び電磁的記録を含む)。(例:薬剤師会、大学の資料)
4.上記1から3までを参考文献として用い、その内容をまとめたもので、著作者、連絡先、作成年、参考文献が明示され、公開されている文書(図画及び電磁的記録を含む)。(例:学術分野の書籍)

・低学年科目の復習を兼ねた授業であり、過去の講義資料等を確認しながら学習されたい。
・本講は、薬局での12年間実務経験のなかで経験した症例、事例等を紹介しながら授業を進める。