<< 最終更新日:2025年2月1日 >>
基本情報
時間割コード108171 開講期通年
科目名衛生薬学I
講義題目
開講学年2年
曜日・時限 単位数2
担当教員長久保大輔

詳細情報
授業内容
(到達目標を含む)
【概要】
衛生薬学領域では「健康」と「環境」に関する事項を学習する。本科目は主に「健康」の内容を学ぶ。健康とはどのような状態を指すのか、人々の健康状態を捉える指標を学ぶ。次に、人々が健康を維持するために、日々の生活習慣を意識することが疾病予防へと繋がるという観点から生活習慣病について学ぶ。さらに健康を維持するためには栄養を摂取する必要があるが、栄養とは実際には何なのか、栄養の過不足が疾病と深く関連することなども学ぶ。そして、人々が摂取する食品や食品添加物の特徴や性質、安全性について分子レベルで学び、それらの機能と健康との関わりを科学的に考える。

【目標】
・社会や集団において環境要因によって起こる様々な疾病や健康被害について、関連する情報の収集・解析と評価に基づいて適切に予防・防止することの必要性を説明する。
・環境要因によって起こる疾病や健康被害について、社会的な影響や国際的な動向の解析と関連する規制・制度や関連法規の理解のもとに、実効性のある予防策や防止策を立案する。
・環境要因によって起こる疾病や健康被害に対する予防策や防止策の効果を検証・評価する。
・食品や栄養について、適切な摂取により人の健康の維持・増進をはかることの必要性を説明する。
・食品や栄養について、疾病の予防・治療に向けて評価・管理を適切に行うことの必要性を説明する。
・栄養素の過不足による疾病や健康障害について、食習慣や生活環境等の把握、健康状態の解析と、関連するエネルギー代謝や摂取基準等の理解のもとに、効果的な方策を立案する。
・人の健康の維持・増進のために、食品や食品添加物等について、関連する情報の収集・解析と評価に基づいて適切に衛生管理及び安全性管理を実施することの必要性を説明する。
・食品の変質や食品汚染によって起こる健康被害や食中毒について、被害状況把握、社会的な影響の解析と関連する規制・制度や関連法規の理解のもとに、実効性のある防止策を立案する。
・食品の変質、食品汚染による健康被害や食中毒に対する防止策の効果を検証・評価する。

本科目に対応する薬学教育モデル・コアカリキュラム(令和4年度改訂版)の小項目は以下の通り。
E-1-1 環境要因によって起こる疾病の予防と健康被害の防止
E-2-1 食品機能と疾病の予防・治療における栄養
E-2-2 健康をまもる食品衛生

※ディプロマ・ポリシーとの関連については、薬学部のカリキュラムマップを参照してください。
※授業計画欄の学修事項の内容は、薬学教育モデル・コアカリキュラムを参照してください。
Y24-0201
授業計画
1 ・授業についてのイントロダクション
・健康と疾病の概念の変遷と、その理由を説明する。
・人口統計の意義、人口統計および傷病統計に関する指標、人口動態の変遷について説明する。
学修事項:E-1-1-2, E-1-1-3, E-1-1-4, E-1-1-5
2 ・人口統計の意義、人口統計および傷病統計に関する指標、人口動態の変遷について説明する。(つづき)
学修事項:E-1-1-4, E-1-1-5, E-1-1-6
3 ・生活習慣病の概念と種類について説明する。
学修事項:E-1-1-5, E-1-1-6, E-1-1-7
4 ・代表的な生活習慣病の動向とリスク要因を列挙し、その予防法について説明する。
学修事項:E-1-1-4, E-1-1-7, E-1-1-8, E-2-1-4, E-2-2-8, E-2-2-9
5 ・五大栄養素を列挙し、それぞれの役割について説明する。
学修事項:E-2-1-1, E-2-1-2, E-2-1-3
6 ・五大栄養素を列挙し、それぞれの役割について説明する。(つづき)
学修事項:E-2-1-1, E-2-1-2, E-2-1-3
7 ・各栄養素の消化、吸収、代謝のプロセスを説明する。
学修事項:E-2-1-1, E-2-1-2, E-2-1-3
8 ・食品中の三大栄養素の栄養的な価値を説明する。
・五大栄養素以外の食品成分の機能について説明する。
学修事項:E-2-1-1, E-2-1-2, E-2-1-3
9 ・エネルギー代謝に関わる基礎代謝量、呼吸商、推定エネルギー必要量、日本人の食事摂取基準について説明する。
学修事項:E-2-1-1, E-2-1-2, E-2-1-3, E-2-1-6
10 ・栄養素の過不足による主な疾病を列挙し、説明する。
・疾病治療における栄養の重要性を説明する。
学修事項:E-2-1-1, E-2-1-2, E-2-1-3, E-2-1-4
11 ・炭水化物・タンパク質が変質する機構について説明する。
・油脂が変敗する機構を説明する。
学修事項:E-2-2-1, E-2-2-8, E-2-2-9
12 ・食品の変質を防ぐ方法(保存法)を説明する。
・食品成分由来の発がん性物質を列挙し、その生成機構を説明する。
学修事項:E-2-2-2, E-2-2-8, E-2-2-9
13 ・代表的な食品添加物を用途別に列挙し、それらの働きを説明する。
・特別用途食品と保健機能食品について説明する。
学修事項:E-2-1-5, E-2-2-3, E-2-2-7
14 ・食品衛生に関する法的規制について説明する。
学修事項:E-2-2-4, E-2-2-5, E-2-2-6, E-2-2-7, E-2-2-10
15 授業全体のまとめと復習
教科書 鍜冶利幸、佐藤雅彦(編集)「コンパス衛生薬学」改訂第3版(南江堂)、2020年、ISBN: 978-4-524-40371-4
参考文献 なし
評価方法・基準
評価対象:定期試験
評価基準:上記の目標について定期試験(100%)を実施し、到達度を測定する。
評価については Classroom を通じて総評を配信する。

<評価の指針> E 衛生薬学
1. 社会・集団における環境要因によって起こる疾病や健康被害について予防策・防止策を立案する。
3. 食品や栄養について人の健康の維持・増進や疾病の予防・治療につながる方策を立案する。
4. 食品の変質や汚染等によって起こる健康被害、食中毒について防止策を立案する。
7. 人の健康に係る公衆衛生、食品衛生、環境衛生上の課題を発見し、レギュラトリーサイエンスの視点で、その解決に取り組む。
授業外における
学習方法及び
履修にあたって
の注意事項
本科目では衛生分野に含まれる広範な内容についての総合的な理解を必要とします。そのため、授業計画に記載した毎回の授業内容について、指定する教科書を事前に各自で90分以上読んで予習し、質問事項をまとめておくこと。授業後にはその日のうちに授業内容(教科書、配布された授業資料、および質問した内容など)の復習を90分以上かけて行い、自分自身で学習成果の定着化を積極的に進めること。