学部・大学院


こども保健学科 教員コラム

子育て応援隊 『おひさまクラブ』

中尾 博美(保育実習指導)


『おひさまクラブ』は、玩具好き、絵本好き、わらべうた好き、料理好き、裁縫好きの元保育士が集まった『子育て応援隊』です。私もそのメンバーの一人で、相棒の『タロウ(人形)』を布袋に入れて、肩から提げて月一回、電車に揺られて子どもたちに会いに行っています。

活動の拠点はM公民館。2歳前後の子どもと母親が15組ほど集います。今年は3カ月児の参加があり、毎月の成長が楽しみです。
私たちが大切にしていることが3つあります。

一つ目は、子どもだけを遊ばせるのではなく、大人も一緒に遊ぶことです。
おひさまクラブは大人の息抜きの場ではなく、大人も真剣に遊ぶ場です。心から遊びを楽しむと、結構ストレスの解消になっているのです。

二つ目は、本物を大切にすること。
例えば音声。テレビの音、携帯電話の着信音、台所やふろ場から流れてくるナビの音・・・。これって、ストレスになりませんか?柔らかな子どもの耳にはどのように聞こえているのでしょう。おひさまクラブにいる2時間ほどは機械音から遠ざけてやりたいと思います。ですからCDもマイクも使いません。
絵本の読み聞かせに耳を傾ける、お母さんの背中におんぶされて、♪おうまさんのおけいこ1・2・3・・・とうたって跳ねる。こんな時に見せる子どものまっすぐな瞳や笑顔は、何物にも代えられない喜びと活力を私に与えてくれます。
玩具もそうです。
温かみのある素材、柔らかく深い音、色彩の美しいものなど、乳幼児期に育ててほしい「美」と「快」の感性を大切にしたものにこだわって選んでいます。
「家にいるとお姉ちゃんとゲームばかりしているけど、ここに来ると木のおもちゃがあっていいですね」と、孫と参加のおばあちゃん。玩具が奏でる♪カラコロポロリンという不思議な音に、思わず息をのむ大人と子ども。一人一人の聞こえ方は違っていても、共有した響きはいつまでも心のどこかに心地よく残っていることでしょう。
(注:プラスチック製にも良い玩具はあります。)

三つ目は子どもの興味・関心を妨げないこと。
乳幼児期は個人差が大きい時期なので、一人一人の子どもの思い思いの遊びを見守り、そこに大人がそっと加わっていく。そんな遊びの時間をたっぷりととるようにしています。
ミニカーの小さなドアが開くことに気づいたSちゃん。何度も何度もドアを開いては「ホラッ、みて」というように、大人の顔を見ます。「すごいね。面白いね」と大人も一緒に喜びます。

たった月一回の活動ですが、確実に成長していっている子どもの姿と、生き生きとしたお母さんたちに、「オバチャンたちも頑張りよ」と毎回背中を押してもらっているのが、私の『おひさまクラブ』なのです。

仕事中心できた私は、自分の子育ては母任せでした。その母からたびたび「一家の太陽はお母さんですよ」と、励まされてきました。

おひさまクラブも、子育て中のお母さんに、「一家の太陽はお母さんですよ」と、エールを送りたいと思います。
それでは ♪サヨナラ アンコロモチ マタ キナコ♪ 。



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