学部・大学院


こども保健学科 教員コラム

未来の扉をひらく声

中 磯子(声学・音楽教育)

 赤ちゃんの誕生の瞬間は、産声とともに始まります。出産に立ち会う人々は固唾を飲んで、産声を待ちます。産声は赤ちゃんが世の中に向かって発する最初の自己表現なのだと思います。「私は頑張って生まれてきました、お母さんも大変だったでしょうが、私もここまで来るのは大変だったよ」というメッセージなのかも知れません。
 誕生とともに私たちは、神様からいただいた声を一生使い続けます。そして自分の声をいつも聞いて育ちます。声は未来の扉をひらくものです。自分の声は無意識に聞いていることが多いかも知れませんが、意外に自分自身にも影響を与えます。特に保育士や幼稚園教諭は声を使うことが多く、のどを痛めてしまう人が多いのが現状です。私たちは自分の声の特徴や性質を知り、効率良く使うための方法、コミュニケーションの手段や自分を表現する方法としてよりよく使うための方法を身につけることは生きていく上で大切なことであると思います。
 また、声はメンタル面と直結しています。声が心身の健康状態を教えてくれます。自分の声についてもセルフコントロールのために使うことができますが、乳幼児の声も心身の健康状態を知ることができます。声はたくさんの情報を私たちに届けてくれます。未来の扉を開く自分の声を一生大切にしていきたいものです。


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