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第50回

播磨の低山歩き

ゲノム解析学研究室 酒井伸也 講師



登山と言うと富士山や北アルプスの槍ヶ岳や剱岳、エベレスト、マッターホルンなど高い山を思い浮かべる人も少なくないでしょう。深田久弥著の「日本百名山」では、名山の基準として「品格」があり標高が1500メートル以上ある事が条件となっています。しかし、兵庫県には百名山に名を連ねる山は無く、氷ノ山が1510メートルで県内最高峰です。

それでは、兵庫県の山、姫路市近隣の山は取るに足らない山なのでしょうか?全然そんな事はありません。千ヶ峰の山頂はぐるっと一周素晴らしい眺望ですし、七種の滝や砥峰のススキは見応え十分、高御座山はいたるところに岩が露出して野趣に富んでいます。それぞれ個性のある楽しい山だと思います。他にも、三室ノ滝のある三室山、段ヶ峰、雪彦山、笠形山など播磨には魅力的な山がたくさんあります。大学の近くでは、JR砥堀駅から増位山~広峯神社~書写山圓教寺まで近畿自然歩道が整備されています。何しろ、日帰りですぐ行けるお手軽さ、歩いた後に温泉に寄って汗を流したらもう最高です。これからの時期、気候もよく「低山」向きのシーズンです。皆さん、週末はちょっと近所の山に出かけてみませんか?

どこに行くか決まったら、情報収集から始めます。はじめは地図です。国土地理院の地図閲覧サービス(ウォッちず)は歩く場所の地形図を入手するのに便利です。登山用地図やガイドブックには、登山ルートや登山口から目的地までの所要時間、休憩場所などが記載されており計画を立てるのに役立ちます。目指すのは山頂に限らず、滝、沢、花や植物、コケ、ブナの林、洞窟、岩場、クサリ場、吊り橋、三角点などあらかじめテーマを決めて行くと楽しいです。繰り返し同じルートに登ったり、同じ山をいろんなルートから登ってみるのも、毎回違って面白いのでおすすめです。次は天気予報、確実に天気のよい日を選びましょう。山は午前中の方が比較的天気が安定しているし、夕方は(特に秋冬は)日が暮れるのが早いので、十分に余裕を持って朝早い時間に出発するのが鉄則です。その他、ネット検索すれば、行きたい山の情報がたくさん手に入るはず(ただし情報が古かったり、時には間違いもあるので注意)。現地での情報は、デジカメで撮影しておくと後で確認できて便利です。

出掛ける服装は、長袖のシャツ、ロングパンツ、運動靴、帽子。気温によって重ね着で調節します。持ち物はレインウェア、軍手、タオル、地図、コンパス、懐中電灯、防寒の上着、携帯電話(電波が入らない場合あり)、それに水と食料(昼食、おやつ)です。これらの荷物を入れるザックもいります。山の天気は変わりやすいので、天気予報は晴れでもレインウェアは必携です。

出発前には、ストレッチを十分に行い給水します。歩き始めてからもこまめに給水し、疲労度に合わせて休憩をとります。食事は、長めの休憩を取って食べるのも、歩きながら食べるのもありです。地図や道標を見ながら進みますが、道に迷ったら、位置のわかるところまで戻って、改めて進みます。山歩きの第一の目標は「無事帰ること」、お忘れなく。

【参考】
中村圭志「兵庫県の山」(山と渓谷社)
須磨岡輯「新・はりまハイキング」(神戸新聞総合出版センター)
高橋庄太郎「トレッキング実践学」(エイ出版社)

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