いみ(夢)
臨床薬効評価学研究室 比知屋 寛之 講師

この場をかりて、私なりの夢について少し語ってみたいと思います。
私には、現在、7歳になる長男(小学2年生)、5歳の長女及び1歳8ヶ月の次男の計3人の子供がいます。長男とは、バスケットボールやソフトボールなどの球技系を中心に遊んでいます(ちなみに、私は地域のソフトボール同好会に所属しています)。また、釣りもよくしています(長男用の釣り竿やルアーなどがある程です。ただ、腕前はご想像にお任せします)。長女は、妻に似て物凄く手先が器用であり、折り紙やビーズ遊びなどを妻と共にしています。最後に、次男とはサッカーという名のボール蹴りをしています。このような我が子達ですが、次男を除き、最近それぞれが将来の「夢」を持っていることに気付きました。先ず長男は、本人曰く建築士ではなく「設計士」に成りたいそうです。次女は、「ケーキ屋」です。私が、5~7歳くらいの頃は、正直、具体的な「夢」を抱いていませんでした。そのため、我が子達の現実的な「夢」を知り、父親として大変頼もしく感じました。
それでは、私の若かりし頃の夢はと申しますと、薬剤師に成るということでした。私は、薬系大学のない沖縄県の出身です。父の実家は、沖縄本島から西に約100kmに位置する久米島です。プロ野球球団の東北楽天ゴールデンイーグルスのキャンプ地というと認識し易いでしょうか。久米島は、沖縄本島、西表島、石垣島及び宮古島の次に広い面積を有し、農業、商業、水産業やサービス業が盛んな島国の1つです。幼少時は、家族で夏休みあるいはお盆休みを利用して、毎年里帰りをしていました。その際、親族一同で、野球やバスケットボールだけでなく、日本の渚百選にも選ばれた「イーフビーチ」で水泳や釣りなどをして楽しい日々を過ごしました。結婚後は、帰省する機会もだいぶ減りましたが、長男という立場上、なるべく久米島に足を運ぶように心掛けています。帰省する度に、驚くことがあります。それは、現在もそうですが、久米島には十分な医療施設が存在しないことです。そのため、病状の重い患者さんは沖縄本島に搬送されることが多々あり、それを実際に目の当たりにした経験があります。このことから、私は、医療関係の職種に興味を持ちました。「薬」の面から微力ながらも地域医療に貢献できればと考えたのが始まりであり、現在、薬剤師として薬学教育に従事している所以でもあります。
それでは、現在の私の夢はと申しますと、超高度医療社会におけるチーム医療の要となる実践的な薬剤師を育成していくことです。将来、薬剤師となる学生達と共に、6年制薬学教育を学びながら、一緒に成長できることを日々嬉しく感じています。今後は、学生が学術的知識だけではなく、接遇の重要性や謙虚さを認識した振る舞いを身につけられるよう手助けしたいと考えています。また倫理的思考や推察力を身に付けられる土台の構築に少しでも関わりたいと思っています。
さらに、同郷の学生が本薬学部を卒業し、沖縄県で地域医療を支える信頼される薬剤師となるよう薬学教育に心血を注ぐことで、沖縄県の地域医療に貢献できればと考えています。
その点、姫路市近辺は医療環境に恵まれておりますが、高齢化に伴い在宅医療が重要になってきました。姫路市近辺においても、在宅医療等で薬剤師が活躍できるよう学生を育てていきたいと考えています。