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薬学部コラム

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第63回

二の句そして次の言葉

分子病態学研究室 谷口 泰造 教授


雅楽で、朗詠の詩句を三段に分けて歌うときの第二段の詩句を二の句といい、とっさに次の言葉が出ない、見つからない場合などに「二の句が継げない。」という言い方をします。
今回は名言や有名な言葉のその次について考えてみました。

1:井の中の蛙大海を知らず・・・・

視野が狭い、知識が乏しく狭い見識にとらわれ、他に広い世界があることを知らないで、自分の住んでいる所が全てと思い込んでいる人に対する蔑みの言葉として「お前は井の中の蛙か、世間知らずやな。」といった使われ方をします。(出展:荘子の秋水篇) 言われて悔しい思いをした人がいると思います。そこで・・・・・

されど井の深さを知る。

他の事は知らないが自分の専門とするところは極めているということ。
カッコよく反論しましょう。但し、この言葉、荘子の秋水篇には出てこない。負けず嫌いの日本人が考えたようです。

2:地球は青かった・・・・

世界初の宇宙旅行をしたガガーリンのあまりにも有名な言葉。
この言葉にも続きがあります。

しかし、どこを見回しても神はいなかった。


ガガーリンの言葉として世界的には二の句の方が有名です。テロが頻発する昨今。胸に迫る言葉です。


3:少年よ 大志を抱け・・・・Boys, be ambitious!


北海道開拓の父。札幌農学校のちの北海道大学で実学指導に砕身されたクラーク博士が日本を去るに際して教え子に行った言葉。これだけだと別れ際に「バイバイ、頑張れよ。」と言ったのと何ら変わりない。

クラーク博士像 画像

like this old man・・・・・この老人のように。


教え子にいうだけでなく、自らがこれからも大志を持ち続けるとの意思表示。
学生に要求するだけでなく、私自身も頑張り続けなければならない。肝に銘じなければならない言葉です。


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