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薬学部コラム

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第19回

花粉症対策にジャバラはいかがですか

生物分析化学研究室 宮本 和英 准教授


 花粉が飛散する時期が、そろそろ到来して来ました。日本気象協会の調べでは、兵庫県南部の花粉の飛散量は2009年春と比べると少なめとの予想ですが、やはり本格的に花粉が舞う時期になると、マスクを手放せない、鼻水が出る、くしゃみが止まらない、といった人が出てくるのではと思います。例年、電車やバスで、非常に辛そうに、くしゃみをしながら、赤く充血した目で、ぐっと耐えているのをよく見かけます。飛散量が本格的になる前の時期から、多くの方は花粉症対策に関わるグッズや医薬品などに目を向けるようになるのではないでしょうか。とてもお手軽で楽しく対策ができるものがあれば良いですよね。今月のコラムでは、花粉症に効果があると言われている果物を紹介したいと思います。

 最近話題になっている果物の一つに、「ジャバラ」というものがあります。その名称は、邪気を祓うというところから由来していると言われており、とても縁起の良いものです。ジャバラは柑橘類で、多くは和歌山県北山村で5月頃に開花し実がつき11~12月頃に収穫されます。その形は、ほぼ球形をし7~8センチの大きさで130g程度です(写真)。貯蔵性が良く冷暗所に置いておけば、数カ月の保存が可能です。収穫してすぐの頃は緑色をしていますが徐々に黄色に変色していき、柔らかくなり甘さが増していきます。ユズやスダチとは違った独特の香りを持ち、果汁が多く、酸っぱさが有りながらも円やかな味が特徴で、種は少なめです。花粉症の千人の方が果汁を飲んだアンケート結果では、回答した方の中で7割を越える方に効果があったとのことです。

 私は自宅で、ジャバラを食事やお風呂などに活用しています。ユズやレモンを使う要領で魚料理、鍋料理、和風サラダなどに使え、それらとは違った甘みの有る酸っぱさを楽しめます。果汁でヨーグルト作りや搾り皮でマーマレード作りができるそうですし、また、焼酎などのお酒に入れるなど、様々な物にも良く合うように感じます。一方、ジャバラをお風呂に入れると、柑橘系の良い香りがして少しリッチな気分を楽しむこともできます。皆様は、例年、花粉症対策にどのような準備をされていますでしょうか。今年は、楽しくご家庭でジャバラを使うお料理やお風呂というのはいかがでしょうか。花粉症が少しでも楽になっていただければと、願っております。(参考:朝日新聞)

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