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平井 敦
平井 敦
平井 敦

08

Interview

ホテルモントレ
営業推進部次長

平井 敦さん

「平和産業」でお客様を

笑顔に、自分も笑顔に。

08

Interview

ホテルモントレ
営業推進部次長

平井 敦さん

「平和産業」でお客様を

笑顔に、自分も笑顔に。

プロフィール

1970年生まれ、福岡県出身。1995年、姫路獨協大学経済情報学部卒。同年ビジネスホテルに就職し、フロント業務に従事する。リーガロイヤルホテルやザ・ウィンザーホテル洞爺リゾート&スパで宴会サービスや営業職も経験。2012年にホテルモントレに入社し、現在は営業活動を統括する「営業推進部」の次長として管理職をしながら現場でも奮闘している。近年は健康に気を使っており、趣味はランニング。

ご自身は、どんな高校生でしたか。

生まれは福岡県で、小学生の時に親の仕事の関係で兵庫県川西市に引っ越しました。その後、中学3年生の時に父を亡くして、母子家庭になりました。母の苦労する姿を見ていましたので「迷惑は掛けられない」と思い、高校時代には飲食店でアルバイトをして家計を助けていました。高校は県立の進学校に進んだのですが、正直、勉強はあまり得意ではありませんでした。自分が将来何をしたいのか見つかってはいませんでしたが、当時、同級生のほとんどは大学進学。周囲に合わせるように私も受験したのですが、全滅してしまいました。
仕方が無いので、高校時代からのバイトを継続しながら「自分は何をしたいんだろう」と自問自答する日々です。そんな生活が1年ほど続き、ある程度のお金もたまったのでやりたいことを探して「世界一周の旅に出よう!」と計画します。そんな折、親戚から「やっぱり大学には行ったほうが良い」と言われて「それもそうか」と旅を取りやめ、参考書を買って独学で姫路獨協大学の経済情報学部に入学しました。同級生からは、2年遅れでしたね。

大学の4年間はどのように過ごしましたか。

前提として、大学の学費は自分で出すというのが進学の条件だったんですね。なので、新聞配達の奨学金制度を利用しました。これは、新聞配達員として働くことを条件に返済不要の奨学金をもらえる制度です。奨学金とは別に給与ももらえるのですが、朝起きるのは日が昇るよりも早いし、当時は販売店の2階に住み込みで休みも少なかった。正直に白状すると、大学の授業は寝ていたこともありました。でも、働きながら大学に通ったお陰で学費を払えただけでなく、実家に仕送りもできました。若くて体力が有り余っていたからこそできたのだと思います。
とはいえ、大学で寝てばかりいたわけではないですよ(笑) 。情報系の勉強ができる学部でしたので、パソコンのことが学べたんです。当時は1990年代初頭。世の中もワープロからパソコンに転換していく時代でした。ホテルの従業員にもパソコンの操作は必要ですので、当時学んだことは、直接でなくとも、今に生きていると思います。

平井敦さんインタビュー画像1

IT関係の仕事に進もうとは思いませんでしたか。

そのころは、まだIT企業が一般的ではなかったんです。探せばあったんでしょうが、仕事につなげるという感覚はありませんでした。今の人間社会学部 産業経営学類は資格も取れるようですし、専門的な知識を学んで、それを生かした業界に進めるというのは羨ましいですね。私自身「もっといろんなことを学んでおけば良かった」と思うので、是非、在学中にいろいろなことに関心を持ってもらいたいと思います。

ホテル業界に進もうと考えたのはなぜだったのでしょうか。

大学3年生のころだったと思いますが、テレビで高嶋政伸さんが主演の人気ドラマ「HOTEL」(石ノ森章太郎の同名漫画が原作。高級ホテルが舞台で、シリーズ化もされた)を見て「あんな華やかな業界に入りたい!」と思ったことがきっかけでした。どちらかと言えば口下手だったこともあり、一般企業の営業職は厳しいだろうな、と考えてもいて。文系だと営業に配属される可能性が高いと考えていました。バイトでホールスタッフもしていたので、お客様に喜んでもらうことにやりがいを感じていたんです。モノを売るよりもサービスで喜んでもらうほうが自分に向いている、と思って決めました。
就職活動はホテル業界に絞ったのですが、誰もが名前を知っているような大手ばかり10社ほど受けて全滅。どこも狭き門でした。今考えると、もっと事前にいろいろと業界について調べておくべきだったと思います。当時は、とにかくホテル業界に入ることが必要だと考えて、ビジネスホテルまで範囲を広げ、就職が決まりました。

平井敦さんインタビュー画像2

これまで、どのような業務に従事してきましたか。

ビジネスホテルでの仕事は、フロント勤務が基本です。従業員の数が限られているので、全てを1人でこなせるようにならないといけません。夜間など1人だけで対応することもありましたから、ホテル全体の知識がないといけないわけです。でも、この経験が役に立ちました。3年間で、ホテル勤務の碁礎が身についたんですね。そんな時「リーガロイヤルホテル」が中途採用をしていることを知りました。当時、新卒として大手のホテルに入るのは難しかったのですが、経験者は比較的入りやすかったんです。一時的に給料は下がる条件でしたが、キャリアアップになると考えて転職しました。宴会場やフロント勤務で、いわゆる「ホテルマン」としてイメージしてもらえるような仕事を任されました。
当時はあまり分かっていませんでしたが、ヘッドハンティングされるなど「移籍」することでキャリアアップする人が多い業界なんです。私自身、経験を積んで転職することで、結果的に給与も上がっていきました。

現在は「営業推進部」の所属です。元々は「厳しい」と感じていた営業の仕事に転身するきっかけはあったんでしょうか

リーガロイヤルホテルで5年ほど勤務した後、「ザ・ウィンザーホテル洞爺リゾート&スパ」の大阪営業所が社員を募集していることを知りました。当時は、窪山哲雄氏が、経営再建に取り組んでいた時期です。窪山氏は、東京ベィヒルトン(現・ヒルトン東京ベイ)の副総支配人を務め、ハウステンボス内のホテルを手がけるなどした実業家。私が業界に入るきっかけになった「HOTEL」の登場人物のモデルにもなった方で、憧れの存在でした。それとは別に、長くホテル勤務を続けてきて、この業界は仕事をすることでお客様が笑顔になる「平和産業」だと考えるようにもなっていました。
憧れの人の下で、平和産業を扱う。そんな営業ならばやってみたい、と考えて転職を決意しました。ホテル業界の営業というのは、旅行会社や法人に働きかけてツアーを組んでもらうなどして、多くのお客様に来てもらうために奔走する仕事です。お客様に接する機会は少なくなりましたが、「泊ってよかった」という声を聞くと、うれしくなります。
この時の上司に誘われてホテルモントレに転職し、引き続き営業として仕事をしています。現在は「営業推進部」という全国の営業担当を統括する部署におり、次長として主に近畿以南を担当しています。

平井敦さんインタビュー画像3

ホテル一筋の平井さんが考える業界の魅力や向いている人材を教えてください。

やはり、平和産業だという点ですね。お客様を笑顔にして、自分も笑顔になる。それで給料をもらうというのは、とても良い仕事だと思います。近年はAIの発達が著しいですが、ホテル業はやはり対面が基本です。そういった意味でも、人とのコミュニケーションが好きな方には向いていると思います。あとは、それほど学歴や資格が問われないのも魅力かもしれません。特殊技能が必要な仕事も限られていますので、ハードルが高くない。だから、誰でも飛び込んでから成長していける業界だと言えますね。
世の中の流れで言えば、コロナ禍が非常に厳しかったことを除けば、インバウンド(外国人の訪日旅行)の需要はどんどん高まっています。特に近畿圏では、2025年の大阪・関西万博に向けて、たくさんのホテルの開業が予定されています。それだけ人材も必要ですから、売り手市場な状況で、入りやすい業界とも言えます。私がホテル業界で大事だと考えるのは、何よりもチームワーク。明るくて、協調性のある人をお待ちしております。

ホテルマンに「NO」はない、などとも聞きますが大変な仕事も多いのではないですか。

そういう時代があったことは確かです。お客様の言うことが一番、という考え方ですよね。もちろん、お客様に満足してもらうことは大切なことで、それは今も変わりません。ですが、それを実現することで従業員が傷ついたり、ツラい思いをしたりすることは避けようというのが、今の業界の考え方です。
お客様は大事ですが、従業員も大切ですから。最善を尽くすことは前提として「NO」も言えるようになっていますよ。勤務の関係で言えば、土日休みではない部署も多いですが、営業などは土日が休みです。さまざまな職種があり、いろんな働き方ができるのでひとくくりに「大変そう」と思って敬遠せず、関心を持ってもらえたらうれしいですね。

平井敦さんインタビュー画像4

2018年にホテルモントレ姫路を開業しました。姫路の魅力は何でしょうか。

ほどよく都会で、ほどよく田舎、ということでしょうか。姫路駅前には商業施設がそろっていますし、世界保健機関(WHO)西太平洋地域事務局の年次総会が行われたことで知られるアクリエ姫路(姫路市文化コンベンションセンター)などの文化的施設も多い。一方で、姫路城はもちろんのこと、自然豊かな環境もあります。「国際観光都市」としてのポテンシャルは高いと思います。
ただ、これまでは素晴らしい観光名所がありながら、泊ってくれる観光客は少なかったんですね。日帰りして、大阪や京都などに泊まってしまうイメージです。そこで、ホテルモントレ姫路では修学旅行生や結婚式のお客様を増やそうという取り組みを進めています。これが功を奏して、泊まってくれる観光客は着実に増えてきています。産官学が連携して、更に姫路を発展させていく一つのピースとしてホテル業界も頑張りたいと思います。

「オトナ1年生」に向けてメッセージをお願いします。

もしも「オトナ1年生」だったころの自分にメッセージを送るとしたら「今が一番、時間が使えるんだぞ」ってアドバイスしたいですね。やはり、社会人になると自由な時間は少なくなるものです。一度は計画した世界一周の旅は「行っておけば良かったなあ」と、今でも思いますから(笑)。今の「オトナ1年生」も、好きなこと、気になっていることがあったら、その世界に飛び込んでもらいたいと思います。
一方で、自分が何をしたいのか分からないという人も多いと思います。当初は、私もそうでした。そういう人は、就職活動の前に、さまざまな業界を調べることをオススメします。私が姫路獨協大学の学生だったころは、まだ卒業生が多くなく、OB訪問は現実的ではありませんでした。でも、今ではいろんな業界にOBがいます。ホテル業界に関心がある場合は、私が喜んでお話しますので、さまざまな業界の「先輩」の話を聞いてみてもらいたいですね。

平井敦さんインタビュー画像5

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