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東 恒行
東 恒行
東 恒行

09

Interview

グローリー株式会社
経営戦略本部 情報システム部 部長

東 恒行さん

学んだのは

コミュニケーション力

09

Interview

グローリー株式会社
経営戦略本部 情報システム部 部長

東 恒行さん

学んだのは

コミュニケーション力

プロフィール

1968年11月、兵庫県龍野市(現たつの市)出身。姫路獨協大学法学部を卒業後の91年4月、グローリー工業(現グローリー株式会社)に入社し、情報システム部システム開発グループに配属。2006年、グローリー商事を吸収合併する際にシステム統合プロジェクトに参加し、基幹システム再構築を担当した。以降、社内業務システムの開発・運用に携わり、22年4月から現職。妻と大学4年生の長男。バイクが趣味で、暇ができればツーリングを楽しむ。

現在の会社を選んだ理由は

学生の頃から車やバイクが好きで、大学では自動車部に入っていました。そして地元の会社に勤めたいと考え就職活動をしました。グローリー工業(当時)を知ったのは、子どもの頃、家の近くにあったたばこの自動販売機に「グローリー」のエンブレムを見た事が最初のきっかけで、後から金融機関の貨幣処理機などを作っていると知って驚きました。「特殊なジャンルだけど、面白い」と思いました。ものづくりがしたいと入社試験を受けたという経緯です。

情報システム部はどのような仕事をしていますか

グローリーは通貨処理機のパイオニアとして、国内外の銀行や流通店舗などに向けて数多くの製品・サービスを開発、販売してきましたが、現在では、その通貨を「見分けるチカラ」(認識識別技術)を研鑽し、データアナリティクス技術と融合させた新たなソリューションサービスの提供を目指しています。その中で情報システム部は、これら事業活動に必須となる本部毎に構築した基幹業務システムや社内のITインフラを安心安全に従業員が利用出来る様、維持・管理する事が主な仕事です。また、国内グループ会社と海外現地法人の開発・製造系会社の計16社も担当しており、グループとしてITの統治統制を図りつつ全社の発展に貢献しています。

仕事の面白さを知ったきっかけはあったのですか

当時のコンピューターは大型の汎用機だけで、パソコンもありませんでした。プログラム設計書も手書きでしたし、共有の汎用機専用端末でプログラミングするという時代でした。現在のIT化というより、OA(オフィスオートメーション)化というイメージですね。情報システム部に配属直後は、システムは無形で有形物にてもの作りしたいと思っていた私はこのソフトウェア開発の仕事の面白さが直ぐに理解できませんでした。しかし、関連部門と協力し、システムを作り始めると、社内利用者から「便利になった、ありがとう」という声が聞こえるようになり、自分がやったことが人のためになると分かったことが、仕事の面白さを知るきっかけになりました。また、自分が開発したシステムを活用してもらえることがうれしく、モチベーションの向上にもなりました。
今の新入社員は、採用内定時点で希望する配属先が選べ、最終的にはマッチングによって配属先が決まります。
採用面談では、SE職志望かつ製品開発プロジェクトで仕事がしたいという希望が多いですが、「社内向けだけど、こんな部署があるよ」と、内部の様々な業務にも関心をもった新入社員とのマッチングを図り、この3年で、3人の新入社員を受入れすることができました。

今年春に入社した1人は、姫路獨協大学出身で、独学でプログラミングを学んでいたということでした。入社後、彼にあるシステムを作っていただきました。当部署のオフィスはフリーアドレスであり、自由な席取りをしていますが、結局は誰もが同じ席に座りがちでした。そこで、彼に提案して、社員番号を入力するとランダムな席が自動で決まるシステムを作ってもらいました。そのおかげで、誰もが毎朝異なる席に座ることができるようになり、部内コミュニケーションの活性化に繋がりました。彼は、プログラムの指導を受けていない状態で自主的に考え、システムを作ってくれたため、「学生の力ってすごいな」と感心しました。

インタビューを受ける東恒之さん

仕事で困難だったことはありますか?

情報共有基盤の刷新プロジェクトに取り組んでいた際、Microsoft社の「Office 365」に切り替えることになりました。しかしながら、従来システムに慣れ親しんだ社員が多数おり、新しいシステムへの導入に抵抗があることが困難でした。私たちは、全社向けの説明会やマニュアル作成などを通して、新しいシステムの利便性や効率性を理解してもらうために、多大な時間と労力を費やしました。その結果、導入から約3年が経過した時点で、ようやく全社員が新しいシステムを適切に使用できるようになったと感じています。このプロジェクトを成功させるために、私たちは忍耐力と熱意を持って、一歩一歩進めていく必要があったことを痛感しました。

現在の課題は何ですか?

弊社では、社内での文書共有と業務の効率化を目的とした社内専用の「ChatGPT」の試行をしています。例えば、指示されたプレゼン資料を作成する際に、自動生成のシステムを利用して業務の効率化を図っています。将来的には、AI(人工知能)を活用して、社内の生産性を向上させるためのワーキンググループを設置し、社内のDX(デジタルトランスフォーメーション)活動を進める予定です。このようなイノベーションに取り組み、従業員にとって働きやすい環境を整えることが、私たちの現在の最大の課題となっています。

「オトナ一年生」へのメッセージをお願いします。

自分が本当に興味を持っている、好きなものを見つけることが、何よりも重要だと思います。自分の興味のある分野で才能を開花させ、それを職業にすることができれば、人生がとても豊かになります。大学進学や就職活動などでつらいこともたくさんあるかもしれませんが、自分の好きなことに没頭することができれば、苦労も乗り越えられると思います。さらに、今後はグローバルな社会であるため、英語でのコミュニケーション能力がますます重要になります。自分自身が海外の従業員たちとやり取りする経験からも、そう感じます。皆さんが自分以外の人とコミュニケーションをとる際に必要となる英語力を身につけることで、今後の人生でチャンスをつかむことができます。

インタビューを受ける東恒之さん

常に前向きな姿勢をお持ちのようですが、情報システム部の仕事ではどのようなことに気をつけていますか?

情報システム部は、社内において使えて当たり前を提供する為に部員は日々努力しており、会社においても非常に重要な部門でもあります。しかし、仕事に対してネガティブな気持ちを持ってしまうと、どんどんやる気を失ってしまいます。そこで、成功したいというやる気と、自分の仕事への熱意を持っていることが大切だと思います。例えば、「プログラミングの開発が好き」という気持ちを持っていれば、自分の作ったプログラムが批判されたとしても、「次は、もっとすごいものを作って見せる」という前向きな気持ちを持つことができます。私自身も常に前向きで、仕事に情熱を注ぎ、チャレンジすることで業務に取り組んでいます。

大学での学びで役に立っていることは

私は大学の1期生だったので、先輩が全くいませんでした。職員の方も他の大学での経験者もいれば、新任の方もおられました。どんな大学生活を送ったら良いのか、お互いに手探りの部分がありました。それだけに、自分たちで積み上げていくというか、そこから文化が生まれたようなところがあります。各地から来ている学生同士の仲間意識は強くなり、何かある時は集まって協力しようという信頼関係もできました。
仲間の大切さや、情報を共有するためにコミュニケーションをすることがいかに大切かということを、学生時代に学びました。
会社でも、情報システム部という部署はITの知識以前に、人と会話をして、その人がどんなことを実現したいのかニーズを聞き出し、それを形にしていく力が求められます。人と話すことが重要であり、相手に信頼してもらえるような関係を築くことが大切だと思っています。その意味で、学生時代の経験は役に立っていると思います。

姫路に対する思いをお尋ねします。

姫路といえば、姫路城を思い浮かべる人が多いかもしれませんが、実際には観光客が泊まらずに通過するだけの街になっているとも思います。観光客が泊まるのは大阪や神戸などが多く、当然ながら、観光産業を盛り上げるためには改善が必要ということがあるかもしれません。また、姫路に住む人たちからは、きれいな自然や景観があり、住みやすい街としてのイメージがありますが、産業や観光分野において、観光客が強く惹きつけられる何かを提供しなければならないという課題があります。私たちは、街を発展させるために、社会インフラやサービスを強化し、人々が滞在することができる魅力的な場所を作り出す必要があると感じます。移住を含めた多くの人が、姫路を職場や家として選ぶ理由を提供できるように、ビジネスにおいても観光においても、様々な分野でイノベーションを起こしていきたいと考えています。

インタビューを受ける東恒之さん

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