岡村 恵美子教授らが発表した総説論文が第11回日本油化学会オレオサイエンス賞を受賞しました。
受賞の対象となった論文は、
『吉井範行・岡村恵美子, 「NMRによる脂質膜中の薬物の「運動」の解析」, オレオサイエンス, Vol.11, No.6, pp.213~220 (2011) 』
この総説は、日本油化学会オレオサイエンス誌が、昨年、「界面膜を分子レベルで分析する分光学的手法」を特集するにあたり、NMR研究について執筆の依頼を受けて寄稿されたものです。岡村教授らの研究成果を中心に、細胞膜モデルとしての“脂質二分子膜”の動きにもとづくドラッグデリバリーや「くすり」の運動の様子を直接観察するNMR測定法についてまとめました。
授賞式は、平成24年9月30日(日)から10月4日(木)まで長崎県・アルカス佐世保で開催されたWorld Congress on Oleo Science (WCOS2012)・日本油化学会創立60周年記念大会の会期中に行われました。会議において、“Static and Dynamic Behaviors of Drug Delivery to Lipid Bilayer Membrane by NMR and Molecular Dynamics Simulation”と題して、岡村教授が講演を行いました。
この方法は、生理活性ペプチドや膜タンパク質の運動状態の研究や、生きた細胞におけるドラッグデリバリー観察といった重要な分野に用いることができます。今後、さらに貢献することが期待されます。