宮本和英准教授は、生体内のユビキチン化反応に関与するE2(ユビキチン結合酵素)の活性を捉える新しい検出システムの開発を進めています。E2活性は、新たながん疾患の診断法に役立つと広く知られていましたが、これまでユビキチン化が複雑な反応系であることから、検出が困難とされてきました。宮本准教授は、人工分子である人工ユビキチンリガーゼ(ARF)をデザインし、世界で初めてE2活性を捉えることに成功し、その研究成果が米国タンパク質学会誌の表紙やHPで紹介されています。今回、人工分子ARFのデザイン法とE2活性の検出法に関する実験プロトコルが、シュプリンガー・ネイチャーから出版されました。タンパク質科学の方法論だけを集めた英文プロトコル集で、独自開発した診断・治療用人工タンパク質の設計手法が紹介されています。
Kazuhide Miyamoto*, Kazuki Saito:
Design of a system for monitoring ubiquitination activities of E2 enzymes using engineered RING finger proteins.
Zinc Finger Proteins: Methods and Protocols, 1867, 75–87, Humana Press, 2018.