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大学柔道の集大成に挑む 柔道部

【柔道部】大学柔道の集大成に挑む

兵庫県大会、関西大会を突破して得られる全日本学生柔道優勝大会出場権。本学、女子柔道部は、今年その大会に4年連続で出場を果たしました。過去3年の間に、一昨年の全国3位、昨年の5位という輝かしい戦績を残してきました。その主力メンバーの中に今回、インタビューに答えて頂いた山下さんと名田さん(ともに当時人間社会学群2年)がいます。1年生から主力メンバーとして出場していた両名。当時は、「先輩について精一杯やるだけ」という立場での参加だったそうですが、4年で迎える今大会では「後輩を全国の舞台に連れて行く」立場になり、「最後の大会を最高のもので飾りたい」という大きなプレッシャーとも戦いながらの大会になったようです。

  • -全国大会お疲れ様でした。チームとしては、4年連続、山下さんも4年連続、名田さんも、全国3位になった2年前以来2年ぶり通算3度目の出場でした。以前の大会に比べてリラックスして大会に臨めましたか?

  • 山下「むしろ緊張しました。初めて出場した1年の時は、挑戦する立場だったので緊張とかは感じませんでした。3年の時は、前年の成績(全国3位)を上回る成績という目標があったのですが、それはプレッシャーというより『心の張り合い』のようなものでした。でも、今年は後輩達を引っ張らないといけない立場でしたから。(一番緊張しました。)それに、団体戦で戦うことが出来るのは今回が最後と思うと、負けられないという気持ちが強すぎたことが敗因だったかも知れません。」

  • -チームとして、3位になった前々回、5位だった前回の戦績と比較して、今回の結果(初戦敗退)は少し物足りないもののように思えますが、やはり対戦した相手が強かったということでしょうか?

  • 山下「対戦相手が特に強いとは感じませんでしたが、こちらのチームについて随分研究されているなと感じました。」

    名田「私もそのように感じました。とてもかなわない相手だなというチームではなかったので残念です。」

  • -そう言えば、同じ関西代表として出場した明治国際医療大学が全国優勝しましたね。関西優勝大会の決勝で対戦した相手ですが、その時、山下さんが先鋒として戦った相手は、78kg超級の選手でした。また、名田さんの対戦相手も78kg級でしたね。体格の差は大きなハンデになるんでしょうね?

  • 山下「数年前まで全国大会で何度も対戦した創価大学に体の大きな選手がいて、その選手には、全く歯が立たなかったのですが、それに比べると今回の相手は、それほど力の差があったとは思いません。残念ながら勝てませんでしたけど。」

    名田「私も全く勝てないと思えるような相手ではありませんでしたが、結果的には負けてしまいました。」

  • -全国大会では、先鋒の山下さんが大内刈の一本勝ちで先ずポイントを挙げて、名田さんにつなぎました。ここまではチームとしてイメージどおり戦いぶりだったと思いますが、その後、中堅の名田さんは、残念ながら技のポイントで負けてしまって、大将戦で勝敗を決する展開になりました。今日は欠席ですが、瀬尾さんが出られましたね。大会の記録では、「途中棄権」となっていますが?

  • 名田 「肩を脱臼してしまって。それ以前の練習で亜脱臼していたところを痛めてしまいました。元に戻るには手術が必要になるかも知れません。」(後日、柔道部を訪ねたところ、幸い心配された肩の様子は最悪のものではなく、次の個人戦に向けて練習出来るまでに回復されていました。)

  • -柔道は、ケガが多いですよね。ケガと言えば、名田さんも一昨年の大会ではヒザに大きな負傷を負ってしまいましたね。

  • 名田「そうですね。元に戻るのに1年ほどかかってしまいました。」

  • -その間は、どのように過ごしていたのですか?ウェイトトレーニングとかでケガをしていない上半身を鍛えるとか?

  • 名田「いえ。むしろ柔道を離れてしまっていた時期もありました。でも、今から考えると、そのような時間が持てたことが、むしろプラスになったように思います。」

  • -柔道部のことについてお聞きします。夏休みの時期というと合宿とかあるのかなと思うのですが、予定はありますか?

  • 山下「例年、冬の間に講道館や天理大学へ遠征や合宿に行っています。東京の方に行くときは、普段試合の出来ない関東の大学との試合をするために、天理大学には、数多くの他大学の選手と『乱取り』(お互いが技を掛け合う実践練習)を行う合同練習のために行きます。天理大学での合同練習には、数多くの大学から沢山の選手が集まっていて、色々なタイプの相手と実践練習が出来るので楽しいです。練習する相手は、自分から相手に声を掛けて、相手をしてもらえるように誘います。なので、大会で成績を残している強い選手になると、練習の申し込みが殺到して順番待ちのようなことも起こっています。」

  • -山下さんのところにも申込みが殺到したりしますか?

  • 山下「いやぁ。全然です。(笑)」

  • -本学の柔道部というのは、どんな特徴があるクラブですか?

  • 山下「学年に関係なく仲が良いですね。練習に入ると礼儀が必要なので、そのあたりは当然厳しく取り組んでいますが、一旦それを離れれば先輩後輩の垣根なく楽しく過ごしています。メリハリを付けてやっているということですね。」

  • -2人とも4年生ですね。進路を決める時期になりましたが、具体的な進路は?

  • 山下「私は、鹿児島出身で故郷に戻って就職します。鹿児島県警に就職が決まりました。」

    名田「私は地元(明石市)出身なので、県内に残って仕事をします。以前からやりがいがあると思っていた福祉関係の仕事が決まりました。」

  • -警察官になられる山下さんの場合、今後も柔道を続けていかれると思いますが、名田さんも、かつて所属していた道場に戻ったりして今後も柔道を続けることを考えていますか?

  • 山下「出来れば柔道を続けたいと思っています。もちろん社会人になっても選手として大会に参加していきたいです。」

    名田「残念ですが、私のほうは、難しいと思います。かつて所属していた道場も今は、小学生が数人いるだけになってしまったので、練習出来る環境ではありませんので。」

  • -それでは、名田さんにとって次の体重別選手権(個人戦)が集大成の大会になりますね。入学してすぐに主力選手として活躍された山下さんと名田さんにとって、今度の大会が素晴らしいものになりますように活躍をお祈りしています。ありがとうございました。

あとがき

本学関係者の期待を担って創設された柔道女子部。団体戦では4年前から全国大会に連続出場を果たし、一躍、本学を代表するクラブのひとつになった。その原動力となった両選手の集大成ともいえる関西学生女子柔道体重別選手権が8月11日(日)、奈良県五條市上野公園総合体育館で行われます。

同大会には、52kg級に篠田さん、57kg級に名田さん他、納庄さん、松浦さん、63kg級に山下さん他、尾崎さん、楠さん、70kg級に瀬尾さんの合計8選手がエントリーしており、各階級上位3名が全国大会の出場権を獲得します。昨年、準決勝まで進出しながら3位決定戦で惜しくも出場権を逃した山下さんを始め、総ての選手に上位進出の可能性があり、素晴らしい成績を大いに期待して結果を見守りたいと思います。