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【報告】姫路少年刑務所を参観

【報告】姫路少年刑務所を参観 [人間社会学群 現代法律学類]

令和2年2月25日(火)、人間社会学群現代法律学類の刑事法系ゼミ(刑法ゼミと刑事訴訟法ゼミ)の課外授業として、姫路少年刑務所を参観しました。刑事収容施設法12条に「参観」の規定があり、一定の手続をふめば、一般の人でも刑務所を見学(法律上は「参観」といいます)することができます。

姫路少年刑務所は、(1) 少年院へ収容を必要としない、犯罪傾向が進んでいる少年、(2) 可塑性に期待した矯正処遇を重点的に行うことが相当と認められる26歳未満の、犯罪傾向が進んでいる成人(多くは、少年院に入った経験がある受刑者です)、(3) 刑期終了時36歳未満の者で、かつ暴力団員でない、犯罪傾向が進んでいる成人を収容しています。定員は383名(単独室152室・共同室40室)で、今日は181名(26歳未満134名、26歳以上47名)が収容され収容率47%ぐらいで、収容定員の半分を割っています。10数年前のピーク時は400名を超え収容率も100%を超えていたのですが、その頃から収容者の数も年々減少傾向にあるようです。

刑務所の参観では、受刑者が刑務作業を行っている工場に入り、受刑者の作業風景を間近で見ることになります。この刑務作業は、(1) 一般作業(木工などの製品を作り一般に販売します)、(2) 職業訓練(溶接科、情報処理科などがあり、各種資格を取得します)、(3) 自営作業(炊事、洗濯、施設の修繕などを行います)という三つのカテゴリーに分かれています。当日は、(1) は木工の工場を、(2) は溶接科の工場を、(3) は炊場を見学しました。炊場(調理室)の前には、保健所の指導で、前日と当日の三食の献立の実物が冷蔵庫のなかに保管されています。1日の一人あたりの副食費430円(1日2200キロカロリー)でまかなわれていますが、参観日前日の昼の副食は牛肉大根と高野豆腐卵とじ、夜は焼きそばとコーンとキャベツの炒め物にニラ玉スープでした。また、風呂場や、居住区域の居室のうち共同室の中も見せてもらいました。8人部屋の共同室(約12畳)の中は、受刑者の荷物がきちんと整理整頓され、大型の液晶テレビが各部屋に設置されています。最後に面会室を見せてもらって、処遇区域の見学は終了です。

刑事法系のゼミは警察官志望が多く、行刑の実際の現場である刑務所を参観すると、将来の進路に関してモチベーションが上がるようです。「刑事政策」の授業で、刑務所内の処遇について詳しく講義していますが、「百聞は一見に如かず」、施設参観は、教室内での説明より何倍もの教育効果があります。

本学のある播磨地域には、今回参観した姫路少年刑務所のほか、加古川刑務所、播磨社会復帰促進センター、神戸刑務所、少年院の加古川学園と播磨学園があります。現代法律学類では、毎年、これらの施設のいずれかを参観しています。

(報告:副学長 道谷 卓)