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令和5年度 入学式 学長式辞

新入生の皆さん、姫路獨協大学へようこそ、ご入学おめでとうございます。
保護者の皆様、ご家族の皆様にも心よりお祝い申しあげます。本学は、医療系の教育環境を持っておりますことから、本日は、学生の皆さんだけの式場参加とさせていただいております。ご理解を頂戴できましたことを感謝申しあげます。

ここに、姫路獨協大学を代表して、学部生、編入生、留学生、大学院生の皆さんをお迎えすることができましたことを大変嬉しく思っております。
春の活気に満ちたキャンパスは、桜が満開です。先輩たちもワクワクした思いで、皆さんを歓迎しています。
この晴れの日に、ご多用にも関わりませず、ご列席いただきました 姫路市、和田副市長様、獨協学園、吉田理事長様はじめご来賓の皆様に、感謝申しあげます。



今、社会は大きな転換期にあります。多様な価値観のなか、複雑で複合的な社会課題に向き合うとき、わたくしたちは適切な判断をすることの難しさを感じます。

新型コロナウイルス感染症をめぐる経験は、世界中の人々に、一つの出来事が、社会のあらゆるしくみを変化させてしまうことを教えてくれました。同時に、人々のつながりの大切さや、ともに考え、互いに働きかけることの重要性にも気づかされました。

混沌とした現代社会は、誰もが当事者として、対峙すべき多くの課題を抱えております。それゆえに、わたくしたちには、広い視野で、物事を見極める力が必要なのです。

学問領域においても、専門領域の垣根を超えて、互いを理解し共に支え合う中で、社会の課題に向き合う、融合の力が求められています。




さて、皆さんが入学された姫路獨協大学は、1987年の開学以来、地域社会のニーズに対応して、その歴史を刻んできました。卒業生は、企業や行政・医療機関など、社会の多岐にわたり活躍されております。母校である本学の教員や職員になって、日々皆さんを支えててくださっている先輩諸氏も大勢いらっしゃいます。

大学の正門には、「三想」というモニュメントがございます。三想とは、三つが想うと書きます。三は、「市民」「行政」「大学」を意味しており、この三つが、しっかり結びついて、シルバーに輝く姿は頼もしく、この地での大学の発展を願う、人々の願いでもあり、姫路獨協大学の「使命」と「誇り」なのです。



姫路獨協大学は、姫路の地から発進して、新しい道を切り開き続けることのできる真の実力を持った、逞しい人材を育てます。

人間社会学群と医療系3学部(薬学部・医療保健学部・看護学部)との密な連携を基盤にした学内教育環境を活かし、卒業時には、日本各地の「地域医療」や「社会課題」に向き合って、創造的に挑戦する、意欲やネットワークを持った人材育成を目指しています。

学生時代から、同一キャンパス内で経験できる、実践的な共同学習は、姫路獨協大学だからこそ、皆さんに提供できる教育の強みです。




私が、学び続けている公衆衛生学、看護学という分野では、人々の命を守ること、暮らしを守ること、生きる権利を守ることに直結する実際的な学修をしています。多くの先人の知恵と努力の足跡を学びながら、健康をめぐる多くの課題の解決に向けて役立ちたいと願い、鍛錬しています。

他の学問分野においても同様です。人文科学、社会科学、自然科学、いずれにおいても、大学における学習や修練は、先人たちが積み重ね見出した、普遍的な価値を土台に、くりかえし修練を積み重ねつつ、社会を発展させていくための創造的な知識や技術、人材の発掘を目指しています。大学では、たくさんの魅力的な「知の体系・蓄積」があなたを待っています。




専門職の基礎資格を目指すかた、スポーツの修練を願うかた、母国から離れて、異文化の中で留学生として学ばれるかた、大学院で、自らの疑問や研究的視点を探求されるかたなど、本学で学修される目的は、多様です。

皆さんには、大学にかかわる多くの人々、教職員、在校生など、本学の中にいる人々だけでなく、周囲から、また遠くから、本学にかかわり、本学を想う人々とともに、あなたが活き活きと活動するオンリーワンのストーリーを描いてほしいと願っています。
私たちは、様々な関心をもって生きています。大学は学びを通じた成長・幸せの探索という共通の目的を持った、社会の豊かな発展を目指すコミュニティ・共同体なのです。



あなたが選び、学ぶことが保証される大切な場と時間を最大限に活かしてください。夢や目標は、志だけでは実現しません。苦しさを乗り越える持続力、忍耐力が必要です。まず、学習を習慣づけることから、一緒に始めましょう。スタートが重要です。

大学での学びは、あなたの夢を実現するための基礎力づくりです。今日から始まる学生生活では、生涯を互いに支え合う友人や仲間と出会い、知的な興味関心を広げ、真の目標を見出すことにもつながるのです。



出発です。今日の入学式は、皆さんの大人としての決意・決断の門出なのです。
お一人お一人の学ぶ目的を出発点にして、自分を磨いてください。皆さんは輝く原石です。未来は皆さんの中にあります。

姫路獨協大学は、本学に結集する多くの人々とともに、学生の皆さんの真剣な学びを伴走いたします。

ご入学おめでとうございます。
ここに、皆さんとともに歩むことの喜びと期待、決意をお伝えして、祝辞といたします。


令和5年4月3日
姫路獨協大学 学長 井上清美