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2023年09月01日

ChatGPT等の生成系AIの使用について

在学生のみなさんへ

姫路獨協大学
学長 井上清美
教務部長 森川文弘


最近の人工知能(AI)技術の進展は、社会に大きな変革をもたらそうとしています。特に、ChatGPT(大規模言語モデル:LLM)に代表される生成系AI技術は、社会に大きな衝撃を与えました。 生成系AIを利用することで、業務の効率化が進むとして、すでに多数利用されている一方で、無条件に生成系AIを利用することで様々なリスクが生まれると利用に消極的な意見もたくさんあります。 大学においては、学生の学習の妨げになるとの懸念も出ていますが、新しい技術に興味を持って試してみる態度は必要であり、それには正しく安全にそして上手に利用することが重要となります。

つまり、新しい技術を利用することで、より効率的に学びや業務を進めることができる反面、適切な使用方法や注意点を理解し、責任ある利用が求められることを肝に銘じる必要があります。

利用する場合には次の様なことに留意する必要があると考えます。 ここでは主にChatGPTを例に挙げて説明しますが、他の生成系AIの取り扱いについてもそれに準じます。


●ChatGPTの基本的な性質や仕組みについて

ChatGPTは、作成時点のインターネット等の大量の文章などを機械学習の手法を利用して単語間の関連性のデータをルールとして作成しています。 質問に対しては、データに基づいて関連性の高い単語を並べることで回答文を生成します。生成の元となるデータが古い場合があり結果として不正確な回答をすることがあります。 あいまいな質問を行うと、あいまいさを都合よく解釈して事実と異なる回答を することもあります。

また、ChatGPTは常にデータをアップデートしています。みなさんが入力した質問(プロンプト)もデータとして保存されていきます。


●ChatGPTの正確性について

単純にレポートの課題をChatGPTに入力しても、ChatGPTが判断するための情報が少なければ間違った回答が返ってきます。

その回答が正確、不正確であるかを見抜いたり出典元を検証したりするには自分自身の知識も問われます。


●使用に係る不正行為の扱いについて

授業によっては、その特性上、ChatGPTなどの生成系AIの使用を禁止することがあります。その場合、使用すると不正行為となりますので、使用に際しては各教員に確認してください。


●著作権について

ChatGPTの生成物は、利用者に権利があるとされています。ただし、その元となる膨大なビッグデータは日本では著作権の許諾なしに利用できるものですが、生成されたものについては著作権に関して曖昧な部分があります。画像系の生成系AIで元になっていそうな画像が存在する場合など、著作権が問題になることがあります。


●個人情報や機密情報について

個人情報や機密情報などを書き込むことは情報漏えいに繋がりますので、書き込まないように注意しましょう。個人情報や機密情報を取り扱う場合には、適切なセキュリティ対策が必要です。


●今後の対応について

今後も生成系AIの情報収集や学内での議論を継続的に行い、教育への効果的な活用を含めた対応方針を検討し、お知らせしていきます。