9月29日(土)、近大姫路大学教育学部特任教授の竹本敬市先生をお迎えして、「播磨の先人に学ぶ研究会」(第3回)を開催しました。今回の講演のテーマは、「肥塚龍と初期の衆議院議員選挙について」です。
肥塚龍(1848~1920)は、揖西郡中島村(御津町)に生まれた。13歳で網干の浄土宗大覚寺に弟子入りし、河野東馬の誠塾で学んだ。その後、東京に出て中村敬宇の同人社で英語を学び、自由民権運動の理論家として知られるようになる。『東京横浜毎日新聞』に入社し、社説を担当。同紙に「国会論」を連載した。1882年、改進党の結成に参加。第1回・第2回総選挙では落選するものの、第3回総選挙で兵庫8区から立候補し当選した。以後、1915年まで8回当選。農商務省鉱山局長、東京都知事、衆議院副議長を歴任し、1917年に政界を引退した。
肥塚の時代の選挙は、原則として小選挙区であったが、揖東・揖西・赤穂・佐用・宍粟の5郡からなる兵庫8区は、定員2名の2人区であった。1890年、第1回総選挙に肥塚は立候補するが、改進党が候補者の絞り込みに失敗。その結果、自由派が2議席を独占し、肥塚は落選した。第2回総選挙では、肥塚は東京2区から立候補し落選。しかし、第3回総選挙では、改進党が候補者の一本化に成功し、肥塚は兵庫8区でトップ当選し、自由党の改野耕三と議席を分け合った。
以上のように、竹本先生は、書簡や新聞記事、そして肥塚事務所の『第3回衆議院議員選挙採点表』を用いて、兵庫8区の選挙をめぐる動きを詳細に説明されました。各地の改進党の運動家の名簿や得票なども紹介され、地元の人間にとって大変臨場感あるお話を伺うことができました。
日時 | 10月20日(土) 10:00~11:30 |
場所 | 本部棟 西館4階 43S教室 |
講師 | 近畿医療福祉大学教授 足立 泰紀氏 |
テーマ | 柳田國男と播磨 |
会費 | 無料 |
お問合せ先 | 姫路獨協大学播磨会 電話:079-288-5150 西納 [ にしのう ] |
みなさまのご参加をお待ちしております。