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2014年06月06日

播磨学Ⅰ(第8回)「姫路城の保存と継承」を開催[教務課・地域連携課]

5月30日(金)、姫路城総合管理室(姫路城改修担当)の小林正治氏を講師にお迎えし、「姫路城の保存と継承」というテーマでお話しいただきました。講演要旨は以下の通りです。

姫路城の大天守以外の建造物(81棟)の修理は、平成中期保存修理計画に基づき、平成6年から平成34年までの29年間、漆喰塗り替えや屋根瓦一部差し替えなどを行っている。修理の意義は、計画的修理の継続と過度の劣化進行の防止、漆喰や日本瓦などの伝統技術の保存・継承にある。

大天守については、江戸時代に31回の修理の記録が残っている。修理は、部分修理→半解体修理→部分修理→解体修理のサイクルを繰り返し、約50年おきに部分修理を行う。昭和30年に竣工から約350年たって解体修理を行ったが、次の解体修理は約230年後と想定される。

今回の大天守の保存修理工事には、総事業費28億円をかけ、約8万枚の屋根瓦ふき替え、外壁5,400㎡・屋根目地2,090㎡の漆喰塗り直し、20か所の構造補強を行った。平成27年3月27日にグランドオープンの予定で、前日にはブルーインパルスが祝賀飛行を行う。

工事中は、観光面でマイナスが出ないように、修理見学施設「天空の白鷺」を設置した。この施設には平成23年3月から26年1月までの約2年10か月間で、184万人余の入館者があった。保存修理中の文化財の常時公開は姫路城が初めてで、それ以後各地に広がっていった。

(文責:播磨学担当者 大塚健洋)