11月13日(木)、姫路市観光交流推進室主幹の大前晋氏を講師にお迎えし、「大河ドラマを生かした観光客の誘致~ひめじ官兵衛プロジェクトについて」というテーマでお話しいただきました。講演要旨は以下の通りです。
自治体にとって大河ドラマとは、地域の魅力の全国への発信、観光振興と経済の活性化、新たな観光客の獲得、地域の歴史資源の再認識という点で、千載一遇のチャンスである。そのため多くの自治体がNHKへ陳情活動を行ってきた。
姫路市も、平成20年、NHK大河ドラマを誘致する会を設立し、翌年以降、NHKへの要望書提出、ひめじお城まつりの黒田二十四騎行列、横断幕でのPR、講演会の開催などによって誘致機運を盛り上げ、第53作目となる平成26年度NHK大河ドラマに「軍師官兵衛」が決定した。
姫路市は、平成25年2月、ひめじ官兵衛プロジェクト推進協議会を設立。放送で用いた衣装やセットを展示する大河ドラマ館と、姫路城内リの一渡櫓で本山コレクションを展示する官兵衛の歴史館というパビリオン事業、その他を決定し、集客目標を120万人に設定した。
それにともない受け入れ態勢の整備も進め、看板設置や姫路市内ゆかりの地まちあるきマップの作成など、案内機能の充実を図った。ニュースで取り上げてもらうために各地のNHK放送局を訪問し、積極的に誘客宣伝活動を行った。また兵庫県や県内自治体との連携事業や、ゆかりの都市との合同キャンペーンも実施した。
その結果、平成26年1月から6月までの姫路市内の主要観光地入り込み数は14%増となり、ドラマ館と歴史館の入館者は合わせて59万4000人。経済的波及効果は、兵庫県が144億3000万円、そのうち播磨地域が85億3000万円、姫路市が69億1000万円に上ったと推定されている。
官兵衛プロジェクトの一環として、姫路獨協大学も、獨協学園と姫路市との共同企画「平成25年度はりま歴史講座 姫路が生んだ戦国武将・黒田官兵衛」(全10回)を開講したことを付言しておきます。
(文責:講義担当責任者 大塚健洋)