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他職種連携(チーム医療PBL)に参加 ~患者に寄り添う医療人をめざして~

他職種連携(チーム医療PBL)に参加 ~患者に寄り添う医療人をめざして~

本学ホームページで、既報のとおり、本学医療保健学部(理学療法学科・作業療法学科・言語聴覚療法学科各2名)と薬学部3名の在学生の計9名が、8月21日から2泊3日の日程で獨協医科大学(栃木県下都賀郡壬生町)において行われたチーム医療問題解決型学習と大学附属病院、日光医療センターの見学に参加しました。

また、このプログラムには、学生の他、グループワークチューターとして山本洋之医療保健学部長、江村医療保健学部准教授、木下淳薬学部准教授の3名も参加されています。今回は、そのチューターの一員として参加された江村医療保健学部准教授に今回のプログラムでの学生達の様子とプログラムの意義などについてお話を伺いました。

  • -チーム医療PBLお疲れさまでした。最初にプログラムを終えてみて先生の全体的なご感想について、まず、お伺いできますか?

  • 私自身の学生時代にもこのようなプログラムに参加した経験がありませんでしたし、参加する学生にとっても初めての体験で、その中で彼らが一体どのように課題に取り組んで行くのかを見ることに興味がありました。また、参加している学生にとって他職種の学生が集まっているからこそ通常、学科内では常識と思っていたことでも、他の職種(学部・学科)の学生からすれば常識ではなかった事柄を発見出来たり、逆に他職種の学生の発言から色々な事を気付かされたりして相互理解を深めるのに貴重な体験を得たようで、全体的にも非常に有意義なプログラムの受講体験になりました。加えて、本学だけでも理学・作業・言語聴覚・薬学の他にも医学部や看護学部、臨床検査の分野という多数の分野の学生が集まってプログラムが行えたことは、非常に効果の高い学習になったと思います。

  • -基本的なお話からお伺いしますが、チーム医療PBLとは何でしょう?

  • チーム医療とは、異なる職種のスタッフが連携・協働して、それぞれの専門スキルを発揮することで、患者の治療にあたる医療の形態のことです。今回は、その形式に則って行う問題解決型学習を行って来ました。参加者は、医療保健学部のリハビリ部門3学科と薬学部生が本学から参加、その他に、獨協医科大学から医学部生、看護学部生、県立福祉大学校から臨床検査学部の学生達が、それぞれの分野のスキルを持ち寄ってグループワークを行いました。

  • -今回、医療保健学部と薬学部で合計9名の学生が参加していますが、これはどのように人選をされたのでしょうか?

  • 学科によって違いがあったと思いますが、私が関係している理学療法学科では、ある程度学科のほうから候補者を絞って、その中から参加を希望する学生を選抜するという形式を採りました。

  • -本学にとっては、初めての試みということで、参加された学生さんも先生ご自身も色々とご苦労があったのではないでしょうか?

  • 参加した教員は、各グループのチューターとして参加しておりまして、私自身も学生時代を含めても初めての経験だったので、学生がこのプログラムにどのように取り組むのかについては、非常に興味がありました。チューターの業務については、グループワークに入る前にプログラムを円滑に進めるための注意点、例えば参加者の発言回数や時間等を出来るだけ偏りのないものにするとか、議論が停滞してしまった時には少しアドバイスをするとかを聞いていましたので苦労というようなものは少なかったと思います。

  • -お伺いしていますスケジュールですと、1日目は、神戸から茨城まで飛行機、そこからバスに乗り継いで大学病院まで行ってから医科大学病院の見学だったとか。初日からハードな日程ですね。学生の様子はどうでしたか?

  • 初日は、病院見学が主だったのですが、大学病院のドクターヘリとか、最近大病院で導入が始まった手術用ロボット(ダヴィンチ)の見学と説明を受け、それが実際に使用されている現場も見学させて頂きました。どの学科でも2年生になると病院の見学実習というのがありますが、そのような施設を備えている施設は少ないですし、滅多にない機会なので私を含め、見学者全員が興味深く見学をさせてもらいました。その他に救急救命(ER)が行われている施設も間近で見せて頂きました。これらの施設は、一般的に見せて頂くチャンスがほとんどないものですから、学生にとっても興味深く映ったようで、見学担当の方に熱心に質問を行っていました。

  • -2日目、3日目は、本題のグループワークとなっています。このグループワークでは、どのような課題を、どのように進めていかれたのでしょう?

  • 課題として提示された、ある患者の症状や既往歴を基に、各分野それぞれの視点から症状の原因を探ったり、治療についての意見を出したり、退院後の生活についての方針を決めたりするというような形式で進んで行きました。

  • -今回のプログラムで学生に求められたものは何だったのでしょう?

    • まず、コミュニケーション力ですね。他人の意見をしっかり聴くということが大事になりますし、闇雲に否定しないで相手の話を最後まで聴いて、ある程度まで相手の意見を尊重した上で違う意見を持っている場合は、しっかり伝えるということが一番大事だったかなと思っています。まぁ、そのあたり参加した学生は、スムーズにやれていたと思います。

    • -各グループとも医科大・衛生福祉大学校・姫路獨協大学の学生が割り振られているようでしたが、初対面同志のグループワークということになると思うのですが、最初から円滑にプログラムは進んだのでしょうか?

    • そうですね。最初は、初対面でプログラムも初めてということで硬くなって、戸惑っているような感じもあったのですが、主催者側のプログラムの工夫がされていて、グループワークの最初に行う自己紹介の際に自分の職種(分野)の「あるある」(職種の中にありがちな出来事)を必ず付け加えるというのがあって、その際に軽いユーモアを交えて話す学生もいて、緊張をほぐすのに大いに役立っていました。

    • -グループワーク3チームにそれぞれ名前が付いていますね。「風に立つライオン(6匹)」とか「すがもゴリラ」とか「マイナー」とか結構、自由闊達というかリラックスして和気藹々とした雰囲気でプログラムが進められたことが伝わって来そうな気がしますが・・・。

    • グループワーク一日目が終わった時点で、学生同士が打ち解け合っていたんですが、その夜に医科大学の施設で立食形式の懇親会が行われて一層打ち解けることが出来たようです。

    • -これは先生ご自身がお考えになられていることで結構です、本学の学生達が将来、医療人として各方面に出ていくことになりますが、どのような人材として活躍して欲しいと考えていらっしゃいますか?

    • そうですね。国家試験に合格というのは学生時代の目標ではあるんですけど、医療人としては、そこがスタートです。特に仕事をし始めた頃は色々と勉強しなければならない事が沢山出て来るので、就職してからも積極的に勉強して自分の専門性や「強み」を身に付けていって欲しいと思っています。リハビリについて言いますと新しい治療法や考え方がドンドン出てきていますので、継続的な勉強が必要になります。ですから、常に勉強を続けながら専門性を身に付けていってもらえたらと考えています。