最新情報

柔道部男子 武田佑典君 ~全国大会に賭ける夢~

柔道部男子 武田佑典君 ~全国大会に賭ける夢~

本学ホームページで、既報のとおり、8月11日に奈良県五條市シダーアリーナで開催された関西学生柔道体重別選手権(60kg級)に出場した武田佑典君(人間社会学群1年)が、見事3位入賞を果たし、秋田県で行われる全日本学生柔道体重別選手権進出を果たしました。柔道部といえば、この数年間、全国大会常連となった女子ばかりに注目が集まりがちでしたが、男子部からも久々に嬉しいお知らせが届きました。今回は、柔道部に中濃コーチと武田君を訪ね、これまでの話や次の大会を含めた将来のことをインタビューしました。

  • -全日本学生柔道体重別選手権出場決定、おめでとうございます。1回戦からの勝ち上がり、しかも強豪天理大学の選手2人、大阪経済法科大学の選手にも勝っての準決勝進出でした。それぞれの試合を振り返って感想を教えて下さい。

  • 「どの対戦相手も初めて試合をする相手でした。ほとんどゴールデンスコア(延長戦)まで戦った試合ばかりで大変でした。最後に準決勝で戦った相手は、自分が高校1年でインターハイに出場した時に3年生で準優勝をした人で、以前から知っている強い選手でした。対戦出来ることになって嬉しかったです。」

  • -柔道を始めたのはいつからですか?また、キッカケは何でしたか?

  • 「叔父さんが、かつて学生九州チャンピオンになるほど柔道で活躍した人で、お前も(柔道を)やったらどうかと勧められたのがキッカケです。小学校2年生の時でした。両親も礼法を覚えるのに役に立って、体を丈夫にするのにも役に立つというので賛成してくれました。かわなべ柔道スポーツ少年団というところに入れて頂きました。」

  • -柔道をやっていることに関してご両親は?

  • 「両親ともスポーツはやっていましたが、柔道経験者ではないので、アドバイスをもらうような事はありませんが、色々サポートはしてもらっています。ケガの多い競技なので、その度に心配や世話を掛けています。」

  • -柔道を始めた当時の戦績はどんなものだったのでしょうか?どんな生活を送っていましたか?

  • 「鹿児島大会では優勝したり、準優勝だったりの成績を残して、全国大会にも出場しました。その後、地元の中学の柔道部に入って、朝5時頃に起きて、自宅で自主練習をしてからクラブの朝練習に参加。授業が終わってから夜9時頃に帰宅する柔道一色の生活を送りました。」

  • -出身高校は、鹿児島情報という柔道の強豪校と聞いていますが、中学・高校時代と今とでは柔道の練習って変わりましたか?

  • 「監督が直接鍛える中学の柔道部と違って、自主性に任せた練習が主だったので、メニューとしてはハードだったんですけど、自分としては楽にこなせると感じられるものでした。2年生の時、インターハイで全国大会に出場しました。残念ながら上位には残れませんでしたが。3年生の時は県大会でケガをしてしまって出場出来ていません。」

  • -柔道はケガが多いスポーツですからね。今までに大きなケガというのは?

  • 「骨折とかはありませんけど、膝や肘の靱帯を伸ばしてしまったりしたことは何回もあります。一度ケガすると治るまでに1ヶ月ぐらいかかっていましたが、何度もやっていると2週間ぐらいで練習出来る程度には治るようになって来ました。ケガが治るまでの間は、動かせる部位の強化に充てます。例えば膝の靱帯の場合は、上半身の筋力を鍛えるためにウエイトトレーニングをやるとか。」

  • 中濃コーチ「柔道選手は、上手にケガと付き合いながら選手生活を送りますね。柔道やラグビー、アメリカンフットボールなどの接触系のスポーツは、どうしてもケガが多いですから。」

  • -現在は、どのくらい練習をやっていますか?

  • 「クラブ全体での練習は短いので、自主的にロードワークしたりしています。」

  • -高校の時から現在の60kg以下級ですか?

  • 「そうです。中学時代は50kg級だったんですが、高校になって1ヶ月で10kg増やして現在の階級になりました。試合前になると、減量して階級までの体重にするのに苦労する人がいますけど、自分は、それほど苦労したことはありません。」

  • -軽量級の柔道というと、求められるのは絶えず機敏な動きをしないといけないことだったりとか、それを支えるスタミナや筋力ですね?

  • 「そうですね。スピーディーな動きの中で技を仕掛ける必要があるので、そこに気を付け意識しながら練習を行っています。」

  • -コーチにお伺いします。武田さんの柔道選手としての魅力はどこでしょう?

  • 中濃コーチ「持久力ですね。ゴールデンスコア(延長戦)に入ってからも粘れるところですね。今回の関西学生大会でも何回も延長戦の末に勝ち上がって来てます。延長戦になると、精神的にも体力的にも折れそうになってしまうものなんですけど、メンタルが強くて『まだ行ける、行け』と言うと反応してくれるので、そういうところに自信を持ってやってくれているところが魅力ですね。」

  • -タイプとしては、強気で攻めるタイプの柔道でしょうか?

  • 中濃コーチ「元々、軽量級ですので、普段から技を掛ける数を意識して切磋琢磨しながらやっているので、前に出て攻め続けるタイプの柔道ですね。本番には強い選手ですね。」

  • -大きな大会に出ても緊張しないタイプですか?

  • 「高校の頃までは、ガチガチに緊張していましたが、最近、やっと落ち着いて自分の柔道が出せるようになって来ました。」

  • -得意技は何ですか?

  • 「今までは、『背負い投げ』とか担ぎ技だったんですけど、膝と肘をケガしてからは、足技中心になりました。」

  • -現在、目標とする柔道家はありますか?

  • 「ロンドンオリンピックで銀メダルを獲った平岡拓晃選手です。自分と同じ60kg以下級の選手ですが、今まで自分の知っている中では一番面白い柔道する選手です。柔道界ではスピード・スターと呼ばれるくらいスピードが速くて、技の決め方も鋭い選手だったので、自分もそんな選手になれたらと思っています。」

  • -全国大会に向けて抱負をお願いします。

  • 「全日本学生柔道体重別選手権のトーナメントを2勝するとベスト8に入ることになり、11月開催の講道館杯全日本柔道体重別選手権への出場権が得られるので是非勝ち残りたいと思います。そして、次の年に上位に進出する。大学生の間に是非そこまで狙いたいと思っています。」

  • -コーチは、そのあたりどの程度まで活躍出来るとご覧になっていますか?

  • 中濃コーチ「勿論、本人の希望どおりベスト8以上の成績を期待しています。講道館杯の出場権は、ベスト8以上の選手に与えられますから。先の関西学生で2位以上に入っていれば講道館杯の出場権を得られたんですけど、あと一歩届きませんでしたから、是非。講道館杯は、全日本強化指定選手を決める試合なので、実績を残していけば次の目標が見えて来ることになります。また、試合の幅も広がることになります。」

  • -現在1年生で、まだ先の話と思っているかも知れませんが、卒業後も競技を続けて行こうと考えていますか?

  • 「高校卒業の時に、一度進路に迷って競技をやめようとしたことがありました。医療系の専門学校への進学か大学進学かで迷ってのことです。その時に先輩に誘われて、こちらの大学を選んで柔道を続けることにしました。元々、柔道が好きなので今が楽しいです。」

  • -大会前の練習がお忙しいところ、時間を頂いてありがとうございました。

  • ありがとうございました。