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2012年07月24日

はりま歴史講座「平清盛」第4講を開催(報告) [播磨総合研究所・播磨会]

 7月14日(土)、はりま歴史講座「平清盛」第4講を開催しました。神戸深江生活文化史料館館長で神戸新聞編集局次長の大国正美先生が、「平家物語、その後 ― 江戸時代の文献に見る平家の逸話から」というテーマで講演をされました。
 平清盛をはじめ平家の逸話は、鎌倉期に著された「平家物語」を通じて広まっていき、とりわけ、それらの話は、中世の芸能(能など)を中心とした文化の中で伝わっていった。その例として、「平敦盛と青葉の笛」と「二つの平忠度塚」の話を紹介されました。
 江戸時代には、太平の世の旅行ブームから、多くの名所記(当時の旅行ガイドブック)が刊行され、その中に平家伝説の項目が多く収録されることになったことを指摘されました。また、幕末、頼山陽が「日本外史」の中で、清盛を批判的に記述したことで、一気に清盛の悪役イメージが構築されたということを詳述されました。
 最後に、平家の落人伝説が全国で120カ所あり、そのうち、兵庫県には58カ所もあるということを指摘され、話を締めくくられました。
 これまでの3回の講座は、悪役のイメージで語られてきた平清盛が、実はそうではないとうことに力点を置いて話が展開してきました。しかし、今回の大国先生の話は、どうして清盛が悪役として語られるようになってきたのかというこれまでとは全く逆の視点からのお話で、その根源は江戸幕末の頼山陽「日本外史」であると結論づけられました。
 次回は、8月4日に、最終回の第5講と懇話会を開催します。ご来場をお待ちしています。 (文責:道谷 卓)