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2012年10月01日

姫路市私立幼稚園連携事業(報告) [こども保健学科]

 平成23年度より始まった表記「姫路市私立幼稚園連携事業」に、今年度は3園がご参加くださいました。


 8月29日(水)・30日(木)は、しげる幼稚園の4歳児30名・5歳児23名 合計53名が創立15周年記念館1階プレイルームとおもちゃコーナーで遊びました。
 4歳児は、プレイルームで遊ぶのは2回目です。一人ひとりのこどもが自分なりの「目標」を持って参加していたように感じました。「あのね~このブランコをしてみたいんだけど・・・」と、頬を紅潮させ緊張を含みながらも果敢に大きな遊具に挑戦しようとする強い意志を感じました。
 プレイルームで「からだ遊び」を、おもちゃコーナーで指先を細やかに動かす遊び(おままごとコーナーが大人気でした)をしたあと、クラス全体で手遊び・パネルシアター・わらべうた・絵本などを学生と一緒にしました。
 最後に「何が楽しかった?」という問いかけに、多くのこどもが『全部!』と、はじけるような満面の笑顔で答えていました。


 9月4日(火)・9日(火)は、船場御坊幼稚園5歳児が合計34名、大学に来てくださいました。こどもたちの朝の挨拶は姿勢正しく、しっかりと声が前に出ます。
 初めての遊び空間に、こどもたちは慎重に遊具へ手を触れていきます。遊びが展開していくと、こどもたちは遊具・道具のみならずわれわれスタッフのことを理解し、同時に自分への理解も深まります。「私、これが好き!」「見てみて、こんなんできるで!」と、遊具・玩具への向き合い方にも「自分らしさ」が表現されていきます。
 とても印象的だったのは、プレイルームで汗を流した後、誰が誘うわけでもなく、一斉に暗室へ入って行ったことです。暗いお部屋に一瞬、からだを硬くして、声もでません。でもウオーターベッドに寝転ぶと同時に、こどもの腕が光へ向かって伸び、胸郭が水の揺れに合わせて広がっていきます。そして太い「うわ~」「うお~」というからだの声が出ます。
 最後にこどもたちは、手遊び・ポケットシアター・写真シアター・絵本などを学生と一緒にしました。『やおや』のポケットシアターでは、思わず“よだれ”が出てしまうくらい、おいしいお楽しみ会となりました。


 9月12日(水)・20日(木)は、エンゼル学園幼稚園の2歳児・3歳児 合計40名がバスで大学へ来てくださいました。
 初めての場所に来て、緊張のあまり涙するこどももいましたが、『ボールプールの魔法』で、3分後には満面の笑顔になりました。
 こどもたちは『流れるように遊びを進める』ことが印象的でした。ボールプールを出発点に、滑り台を逆に上り、ジャングルジムをくぐり、はしごを渡り、段ボールのトンネルの中を四つ這いですすみ、トランポリンを跳びます。
 こどもたちは、遊具・道具をしっかり見て、からだの向きや手足の位置を整え、指や膝の関節を使って勢いを調節し、さらに声を掛け合って励ましあい、喜びや満足を分かち合う姿がありました。こどもたちは、遊びを介して視覚・聴覚・触覚といった感覚のアンテナを、より高く幅広く伸ばして集中力を高める様子でした。
 全体のお集まりは手遊びに始まり、ペープサート・しかけぬいぐるみ・絵本などを使って学生と一緒に遊びました。こどもたちは歌や絵本の言葉を聴き、指や教具の動きを見て、音楽のリズムやメロディーに合わせて、理解する世界を広げ深めていました。

 プレイルームでの活動は、こどもに限らず付き添ってくださる先生方、そして本学の学生・教員にとっても、一人ひとりの発見・気づき・学びのあることが嬉しいです。全体お集まりの場で学生は、手遊びや絵本をこどもの様子を見ながら、絶妙な『間』をとりながら進めることの大切さを学んでいます。
 地域のこどもたちにとって、安心して自分を表現できる場所として本学の遊び空間が意味を持つと同時に、このような活動をとおして学生の育ちを地域の先生方にも支えていただけることに感謝いたします。
 今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。


【医療保健学部 こども保健学科 幼稚園連携事業担当者】
教員: 森田惠子・田中麻貴・松村雅代・森脇裕美子
学生:

1年次生 中辻康太・後藤美香・中澤佑希
3年次生 高田菜望子・山本紗規子・谷周人・中田睦薫・井上真由美・永井茉莉恵
4年次生 内藤洋平・金津知香・浦本衣津花・本位田紗奈