総合教養講座「地域政策と地域貢献」(第5回)を開催(報告)[教務課・地域連携課]
10月24日、NPO法人「太市の郷」代表の崎谷久義氏をお迎えし、「NPO活動はどのような分野で地域貢献し、活動が期待されているか(「太市の郷」活動を事例に報告)」というテーマでお話しいただきました。要旨は以下の通りです。
- 阪神・淡路大震災でのボランティア活動に対する社会的評価の高まりを背景に、1998年、特定非営利活動促進法(NPO法)が制定された。2012年3月末現在、全国には45,000を超えるNPO法人が存在する。NPOは行政や企業と協働して、社会の様々な問題の解決に取り組んでおり、行政=与え手・市民=受け手の関係を崩し、市民自治を実践している。NPO活動は単なる献身や慈善ではなく、それに参加することによって、自分の人生や地域固有の価値を再発見することもできる。
- 郷里の太市を美しく風格のあるものにしたい。豊かな緑と水に包まれた郷土を守り、次代を担う子供たちに引き継ぐ努力をしたい。こういう思いから、「太市の郷」を設立し、「ふるさとの原風景再生プロジェクト」に取り組んでいる。里山竹林や里川の保全修景活動を行い、自然を取り込んだ文化的伝統を持続させ、健全な自然が維持できる懐かしい未来を創造していきたい。そのために、竹林の整備や竹垣つくり、伐採竹のチップやパウダーを用いた土壌改良・水質浄化なども試行している。
- 「太市の郷」では、地域の小学校児童・こども園の園児が、身辺の自然環境に興味と愛着を示すように、毎年、「田んぼの学校」を開いている。こどもたちの田植えや稲刈り体験をサポートしたり、竹を使ったおもちゃ遊びを楽しんだり、伐採竹の粉砕集積場からカブトムシ幼虫を採取して養育をしたり、工夫を凝らした活動をしている。我々はこの地球を親から相続したのではなく、子供たちから前借りしているのだ。懐かしい未来を創造しよう!
(文責:大塚健洋)