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2013年11月11日

総合教養講座”地域政策と地域貢献”(第6回)開催報告[教務課・地域連携課]

10月30日(水)、農業生産法人(有)夢前夢工房代表の衣笠愛之(よしゆき)氏を講師にお迎えし、「農家の挑戦! 農業を通じての地域活性」というテーマでお話しいただきました。講演要旨は以下の通りです。

私は33歳の時、父親から42aの農地を購入し、ゼロから農業に携わった。それ以後、先輩農家に追いつこうと、信頼を勝ち取り、ブランドを作り上げ、ファンや仲間を育てることに努めてきた。

平成11年には、地域の環境保全を考えた農業を進め、地産地消、新鮮なものを食卓へを目標に、地域密着型農業をめざして、夢前夢工房を設立した。今では社員9名、研修生3名、パート9名、シルバー2名、アルバイト2名(今年独立した人)で、事業・販売・経理部、水稲・野菜・イチゴの生産部、「夢やかた」(レストラン・売店・農業体験・農場など)を運営し、売り上げは約1億8000万円にもなった。水稲の作付面積は35ha、小麦15ha、大豆7ha、そば78ha、野菜1haである。

米作りの工夫としては、無農薬・特別栽培でブランド化を図り、加工米で契約栽培をするほか、直売も行っている。野菜作りでは、コーン・ほうれんそうなどに糖度による価格を設定した。地元企業やスーパーと連携し、加工品の販売も行なっている。

地域貢献活動としては、幼稚園生や小学生が農業に触れる「田んぼの学校」「畑の学校」、若い農家を育てる農産物直売所、育てた野菜で防災訓練の炊き出し、観光客集客のために田んぼに姫路城の絵をえがいた「田宴アート」、「桃色吐息」という豚肉のブランド化を行った。またTPPを見据えて攻めの農業を実践するため、若い稲作後継者を集めて栽培面積680haの(株)「兵庫大地の会」を設立し、共同購入・共同販売を行っている。

以上の体験から、地域を動かすには、動く理由、活躍の場、小さな成果が必要である。学生の皆さんには、共通の夢や危機感を抱き、大義を掲げて、未来へのタネをまいてほしい。そして、どこに、どんな肥料で、どうやって育て、いつごろ、どんな実を収穫するか考え実行していってもらいたい。

最後に衣笠氏は、「『夢』は、叶えるもの! そして伝えるもの! 一人じゃ無理でも、繋がれば『かたち』になる。みなさんが地域を変える知恵袋に!」と締めくくられました。

(文責:大塚健洋)