カリキュラム・ポリシー(教育課程の内容・方法の方針)

カリキュラム・ポリシー(Curriculum policy)とは、教育目標やディプロマ・ポリシー等を達成するために必要な教育課程の編成や授業科目内容および教育目標について基本的な考え方を示したもので、本学では以下のように示しています。


人間社会学群

人間社会学群では、卒業認定・学位授与の方針に掲げる能力を修得させるため、次のような教育内容、教育方法及び評価の方法に基づいた教育の課程を編成する。

1. 教育内容

【1年次】

人文・社会・自然科学に関する幅広い教養を身につけるとともに、それぞれが国際言語文化、現代法律、産業経営に関する専門分野を深く修めることによって、人間社会の諸問題に柔軟に対処できる人材を育成する。1年次では以下のような教育課程を編成し、1年次終了時に、国際言語文化学類、現代法律学類、産業経営学類への所属を決めさせる。

  • 幅広い教養を身につけるために、全学共通科目並びに人間社会学群の学群共通科目・学類技能科目を提供する。
  • チームで動く力をつけるために1年次に学群共通科目の基礎科目として「人間社会演習 I、II」を配置し、具体的な学内外の問題解決を行うために実践科目を配置する。
  • 幅広い専門分野から学生の専攻する学類を選択する上で必要な情報を提供するために、「人間社会入門」や専門科目への導入となる科目を学類専門基礎科目(学類共通系)として提供する。

国際言語文化学類

2年次 1年次で学習した内容を基礎として、「基礎演習」、「テーマ・スタディ」科目、「海外短期語学研修」などを通して、英語・中国語・韓国語の読み・書き・聞き・話す能力を総合的に向上させる。さらに、英語・中国語・韓国語を使用する人々の文化や社会などについての基礎となる幅広い知識を習得させ、社会で外国語を運用して活躍できる教養人としての感性を育む。
3年次 1・2年次で学習した内容をさらに深化させ、「演習 I・II」、「ワークショップ」科目などを通して、通訳・翻訳、ビジネス、教育、映像など、多様なジャンルにおける英語・中国語・韓国語での表現力やコミュニケーション能力を養う。同時に、幅広い専門分野での学びを通して知識を有機的に統合し、国際的視野を持ちグローバルな舞台で活躍するための実践的な知識を習得させる。
4年次 4年間を通して修得した幅広い教養と専門的知識をもとに、「演習 III・IV」、「卒業論文」などを通して、自らが設定した課題について考察する能力を深化させる。そして、自らの言語・文化のみならず、他の言語・文化を総合的に理解し、国際社会と地域社会のいずれにも深い関心と洞察力を持った、高度で実践的な外国語運用能力を有した人材を育成する。

現代法律学類

  • 全学共通科目(とりわけ社会科学分野)及び学群共通科目と学類専門科目を架橋し、専門科目学修のための基礎知識を学ぶために、学類専門基礎科目を設け、法学の入門科目を主に2年次に配置する。
  • 現代社会において必要となる外国語(英語)と情報処理・数理の基本的能力を養成するため学類技能科目を1年次、2年次に配置する。
  • 法学及び政治学の専門的知識を修得させ、その知識を用いた思考力、判断力を養成するために学類専門科目を2年次以上(大半は3年次以上)に配置する。学類専門科目では、各学生が希望し選択する分野を集中的に学ぶために、コース別に指定科目を配置する。
  • 演習における専門分野の研究の前提となる基礎的作業(読む、書く)や発表するなどの表現能力の強化のために、2年次に「基礎演習」を必修科目として配置する。選択した各自の専門分野において自ら問題を設定し、強化された表現能力を活用して他人と協働する中でコミュニケーション能力と問題解決能力を身に付けるため、3年次と4年次に「演習」を必修科目として配置する。

産業経営学類

2年次 本学類は学際的な体系を持っているので、全体の学びの基礎となる経済、経営、統計、情報の各入門科目を習得させる。各コースでは、核となる講義を中心にカリキュラムを構成し、広範な知識とともに専門性を意識した講義を受講させる。同時に、「基礎演習」や、「プロジェクト演習などの演習で、社会に出て必要となる知識・技能を早いうちから習得させる。
3年次 本年次では、ゼミ形式の「演習」が始まる。「演習」は、2年間を通して、グループ学習などで、各自の興味関心、問題意識等をもとに、より専門的な理論や、分析などの手法を学ばせる。これをもとに、将来の職業に対しての意識を持たせる。各自、コースで推奨される科目を受講し、専門性を高める。同時に、他コースの講義も受講することによって、広範な知識や考え方を習得させる。
4年次 4年間を通して習得した幅広い教養と専門的知識をもとに、「演習 III・IV」、「卒業論文」などを通して、自らが設定した課題について考察する能力を深化させる。そして、自らの専門領域のみならず、様々な領域に対して興味を持ち、理解に努め、諸問題に対して多くの人たちと協働できる、高度で実践的な産業人・企業人を育成する。

2. 教育方法
  1. 少人数制の「入門演習」、「基礎演習」、「演習」を必修化して双方向的な教育を実施する。
  2. 主体的な学習促進のため、一部の科目においてアクティブ・ラーニングを取り入れた教育を実施する。
  3. 講義形式の授業では内容の理解を促すため、科目ごとに様々な媒体を用いた教育を実施する。
  4. 各学年においてTOEIC、法学検定、日商簿記検定など各種検定の受験を積極的に推奨する。

3. 評価方法

卒業認定・学位授与方針に掲げられた能力の形成については、基本的に厳格な単位認定によって個別的に評価する。


医療保健学部

理学療法学科

理学療法学科では、学位授与の方針で示した資質や理学療法士としての専門能力を身につけるために、以下に示す教育課程を編成し実施する。

  • 教育課程は、一般教養科目である全学共通科目と理学療法学科の専門教育科目で構成され、専門教育科目は専門基礎分野と専門分野から成る。
  • 全学共通科目では幅広い教養と総合的な判断力を培い、社会の多様性を理解し尊重する態度を身につけるとともに、他者と協働するコミュニケーションスキル、主体的に問題を設定しそれを解決する能力を育成する。
  • 専門教育科目の専門基礎分野では専門的知識および技能を修得するための基盤となる基礎的な知識の修得や学習方法の習熟を目的として理学療法学科全教員担当による科目や少人数グループで行う演習や実習科目を配し、教員間の共通理解のもと授業形態に応じて目標とするコンピテンシーについてのルーブリックを利用した形成的評価による指導を行う。
  • 専門教育科目の専門分野では理学療法の実践に必要な専門知識や技能を体系的かつ効率的に習得できるよう領域ごとに最適化された専門知識および技能習得のための科目を配し、現代社会の多様なニーズに応えるための最新かつ高度な知識および技能を学ぶとともに実践的な演習課題や臨床実習を通してそれらを活用する実践的能力を育成する。
  • 成績評価はシラバスに明記した到達目標や成績評価基準に即して、多元的、包括的な方法で厳格に実施する。

作業療法学科

  • 全学共通科目:将来、多様な領域で活躍するために基盤となる広い教養や技術を習得する科目を入学初年度を中心に編成している。外国語、情報処理、自然・環境科学、人文・社会科学、スポーツ・健康科学、総合科目として総合教養講座やキャリア形成を学ぶ。社会人として必要な知識や興味がわく科目を幅広く学び、豊かな人間性を育成する。
  • 専門基礎分野:作業療法学で求められる医学・医療知識の基礎を学ぶ。入学初年度は人体の構造と機能、医学概論、保健医療福祉とリハビリテーションの理念を学ぶ。2年次には、人体の構造と機能、疾病と障害の成り立ち及び回復過程の促進を学ぶ。医療専門職としての基礎を固めて科学的根拠に基づいた思考力を育成する。
  • 専門分野:作業療法学の基礎知識や技術、また専門知識を体系・段階的に学ぶ。入学初年度には基礎作業学、地域作業療法学、2年次には、作業療法評価学・治療学、地域貢献、臨床見学を学ぶ。3年次には、身体・精神・発達領域別の評価学や治療学及び実習を段階的に学び臨床現場における評価技術・知識を体験する。4年次には、「総合実習OSCE」、「臨床総合実習」、地域貢献・連携特論、卒業研究を学ぶ。学生は、自己の臨床力を客観的につかみ、学術研究に取り組む探求心を育成する。
  • 教育方法は、学生が能動的に学べる教育方法として、講義型授業に加えて、グループワークを重視した学習方法やディスカッションを取り入れ学びを深める。また、問題解決型学習(PBL)を用いて3年次臨床評価実習の後に臨床経験で得られた多くの疑問に対して、問題解決へのアプローチ方法を身につけ、最終的に「主体的・協働的に問題を発見し、解決する能力」を養う。

言語聴覚療法学科

「言語聴覚士養成教育ガイドライン」に準拠した科目に本学科独自の科目を段階的に配置し、実施する。

  • 言語聴覚士、ひいては医療人としての幅広い知識および使命感、倫理観を養う科目を低年次より配置する。1年次では一般教養科目において学びの基礎を知り、言語聴覚障害学の専門知識の習得を視野に基礎医学や音声、言語学などの専門基礎科目を習得させる。2年次、3年次では言語聴覚士という職務内容・社会的責任の理解を深めつつ、臨床医学や心理学などの専門基礎科目および言語聴覚障害学の専門科目を習得させる。さらに臨床実習に向けて、言語聴覚士に求められる社会的責任を自覚し、備えるべき心構えを育成する科目を配置する。4年次ではこれまで学んだ知識や技術を活かし、総合臨床実習や卒業研究、国家試験に向けた準備を通じて学びの集大成とする。
  • 少人数制の講義や演習を通じて、豊かな人間性が育成できる科目を配置する。
  • 科学的根拠に基づいた言語治療に必要な知識の習得と、科学的思考力および問題解決能力を育成できる科目を配置する。
  • 臨床実習に関連する科目と臨床実習を通して、言語聴覚士の専門性と役割を認識し、個々の言語聴覚障害児・者に合わせた治療プログラムの構築ができる能力を育成する。
  • 臨床実習に関連する科目と臨床実習を通して、チーム医療の一員として活躍するに必要な臨床的態度、コミュニケーション能力、プレゼンテーション能力を育成する。
  • 地域の保健・医療・福祉・教育に貢献できる能力を養成する専門科目、演習科目を配置する。また兵庫県言語聴覚士会と連携し、地域医療にかかわるボランティア活動を推進する。
  • 臨床実習、実習報告会での発表、縦割り教育の実践により、後進を育成する態度と技術を育成する。
  • 臨床実習や卒業研究を通して言語聴覚療法の発展に関する情報を収集し、自己の臨床活動を客観的に検証する能力と、学術・研究活動に取り組む探求心を育成する。

臨床工学科

1年次 一般教養、医学系基礎、工学系基礎の一部を中心に学び、また、医療現場を実感するため、透析クリニック見学や解剖見学を用意している。
2年次 工学系基礎、医学関連科目、情報系科目、専門科目の一部を中心に学び、さらに、臨床現場の、特に臨床工学部門を見学して、学びのモチベーションを高める。
3年次 主に専門科目の実習を通して専門技術の習得を図り、また、スタッフとの連携をトレーニングし、4年次の臨床実習に向けて技能を向上させる。
4年次 これまで学んだ知識と技術を臨床現場で発揮し、卒業研究、国家試験、就職活動と、将来に向けて総仕上げを行なう。

薬学部

本学部のディプロマ・ポリシーを達成するために、「薬学教育モデル・コアカリキュラム」に準拠した科目と本学独自の科目を段階的に配置し、実施する。

  • 医療人としての高い倫理観、使命感を育成するための科目を低年次より配置し、薬剤師への志向と学習意欲の向上を図りつつ、高年次では薬剤師に求められる社会的責任を自覚するとともに、備えるべき心構えを育成する。
  • 科学的思考力および問題の主体的解決能力を養い、コミュニケーション能力を熟成させる。
  • 臨床における問題解決能力を養い、薬剤師職務に必要な基礎知識、技能、態度を修得するとともに、チーム医療を実践する能力、態度を育成する。
  • 全学共通科目(一般教養科目)や、薬学専門課程に移行するための基礎能力を高めるための専門基礎科目、および国際性を育む外国語教育科目を低年次より編成し、深い教養を養う。
  • 薬学の専門的知識や技術を修得するために専門科目、実習科目を編成し、基礎から段階的に実施するとともに、適切な薬物療法を実施する能力を育成する。
  • 近隣の薬剤師会と連携した科目や、実践的実習科目などを編成し、地域の保健・医療に貢献できる能力を養成する。
  • 卒業研究、統合演習科目(PBL)および薬学アドバンスト教育により、多角的な視点から問題を発見・解決できる能力およびプレゼンテーション能力を養成する。
  • 実務実習、卒業研究により、医療と医薬品の進歩に関する情報を収集し、生涯にわたり自己研鑽を続け、次世代を育成する意欲と態度を養う。

看護学部

  • 多様化する社会のニーズに応えるため、幅広い教養・知識を身につけ、豊かな感受性を養う。
    社会のさまざまな分野における知識を学ぶとともに、総合的・学際的な分野と専門分野が相互に補完しあうことによって幅広い教養と豊かな感受性を身に付ける。
  • 生命の尊厳や人権尊重への理解を深め、多様な価値観や意思を認め尊重できる能力を形成する。
    生命の尊厳や人権尊重の理念について理解を深めることにより、自らの価値観や人間観を育み、人々の人生や生活に対する価値観や意思が、多様で個別的であることを理解し、様々な価値を受容し尊重できる豊かな人間性を育成する。
  • ヒューマンケアリング能力を養い、基礎的な看護実践力を育成する。
    看護学と医学の基礎的知識を学修し、論理的な思考と科学的な根拠に基づいた看護実践を展開できる能力をもとに、総合的なヒューマンケアに基づく看護実践能力を育成する。
  • 科学的思考と問題解決能力、主体的学修能力、探究心を培い、自己成長しつづける能力を形成する。
    看護の質の向上や多様なニーズに応えるためには、看護に関する課題の解決に向けた科学的思考と問題解決能力が必要になることから、継続的に看護学を探求しつづける基盤を維持し、看護の知識を学び、適切な看護実践を選択し行動するための科学的知識と問題解決能力を育成する。
  • 保健医療福祉チームの一員として多職種と連携・協働できる能力を形成する。
    保健・医療・福祉チームの一員として、病院施設の機能やチーム医療における看護及び多職種の役割を理解し、多職種と連携・協働して、看護の役割を果たすことができる能力を育成する。