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世界を舞台に今年も活躍 ~女子サッカー部 藤谷監督・原優香さんユニバ-シアードで活躍~

【女子サッカー部】世界を舞台に今年も活躍 ~藤谷監督・原優香さんユニバーシアードで活躍~

先月、イタリアナポリで開催された第30回ユニバーシアード競技大会の女子サッカー日本代表コーチとして藤谷智則監督が、また選手として原優香さん(人間社会学群4年)が選出されたことは本学HPで既報のとおりです。今回は、そのユニバーシアードを終えて帰国した両名を訪ねて、大会の感想やサッカーについて等インタビューをさせて頂きました。

  • -ユニバーシアード2期連続のコーチ選出お疲れ様でした。結果として、日本代表チームは準優勝の銀メダル。壮行会で仰っていた「是非金メダルを」という目標は残念ながら叶いませんでしたが、前回に続いて銀メダルは素晴らしい結果でした。そこで、今回の大会のご感想からお願いします。

  • 藤谷「まぁ、そうですね。実際に(相手が)強かったです。決勝は、北朝鮮チームとの対戦になりましたけど、年齢が違うので・・・。例えば、日本とか韓国とかは、大体18~22歳ぐらいの年齢の選手がほとんどなんですが、国によっては社会人を経てから大学に戻っている20代後半から30歳の選手もいたりします。今回の大会に出て来たチームでも先に言った18~22歳の大学生で構成されているのは、日本と韓国代表ぐらいでした。そうなると、経験値が違いますから不利になります。」

  • -フル代表のメンバーが含まれているチームもあったということしょうか?

  • 藤谷「今回の北朝鮮代表のメンバーにも数名の代表選手がいました。他の国のチームも同じような状況でしたので一試合、一試合を慎重に戦っての銀メダルですから健闘したと思います。決勝戦でも相手の攻撃に耐えて良く守ったと思います。結果的にスコアとしては、2-1の接戦でしたし、シュートの数も同じぐらいだったんですが、内容的には7割方、相手に押されていた試合でした。」

  • -監督は、前回に引き続いて指導者として2度目の出場でしたが、先の大会とは違った感想をお持ちになられましたか?

  • 藤谷「そうですね。前回とは、ガラッとメンバーも変わってますのでね。その代表に、本学のチームの中から原優香が選ばれました。彼女は、2年前にも最終まで代表選考に残っていたんですが、残念ながら代表入りは逃してしまったこともあり、今回の出場にかける想いが強かったことを良く知っている分、今回代表に選ばれたことにはホッとしました。」

  • -その原さんについてお聞きします。彼女の良さはどんなところだとお考えですか?

  • 藤谷「ドリブルで相手を抜いていくのが上手いし、タイミングをとるのが良いって言うんですかね。これってセンスの問題なんですけど、彼女にはそういうものが備わってますね。」

  • -2年前に代表になった山口千尋さんとは、違ったタイプということでしょうか?

  • 藤谷「まったく違うタイプですね。山口は、持ち前のスピードを活かして素早く切り返すタイプでしたけど、原は、相手が飛び込んで来た瞬間を捉えて「股下を抜いて行く」タイプです。スバ抜けたスピードはありませんが、センスを活かして突破するタイプだと思います。」

  • -話題を変えまして、春季リーグ戦の振り返りをお願いします。春季リーグも秋季リーグも大体大とのマッチレースのような形になっていて、勝った方が優勝というのがこの数年の通例のようになっていましたが、この春季リーグは少し様子が違っていたように思いますが。

  • 藤谷「そうですね。チームの事情と言いますか、昨年度までのチームは素質の優れた選手が揃っていたので4年という時間をかけて固定に近いメンバーで戦いながら育てて来ました。そのお蔭で大学選手権3位という好成績を残せた反面、現在の4年生以下の選手にゲームに出ての経験を積ませるあげることが出来ませんでした。そこで、春季リーグは、秋季リーグとは違ってインカレや皇后杯に繋がっているわけではありませんので、色々な選手を使って色々試してみました。その結果、勝ったり負けたりという戦績になりました。」

  • -監督のリーグ戦の位置づけとしては、本命は秋季リーグであるということですね。

  • 藤谷「選手には、決してそんなことは言いませんけど(笑)。ただ、年々、リーグ内の各チームのレベルが上がって来ていて、実力差が接近していることも確かなので、現在のポジションで安泰というわけではありません。例えば、この春のリーグ戦は、4勝2敗1分の勝ち点13の2位でしたが、すぐ下の勝ち点12に2チームがいます。そのまた下の勝ち点11に1チームいて、勝ち点10にも1チームいます。本学も含めたこの5チームが、団子状態なので秋のリーグ戦はどうなるか分からない状態ですね。加えて、現在、怪我をしている選手も多いので(思わぬ苦戦する心配もある)。そんな状況ですが、もちろん、我々としては今年もインカレで戦って、昨年以上の成績を残すつもりではいます。」

  • -我々、関係者としては、大学選手権(インカレ)出場は勿論ですが、久々の皇后杯出場を果たして頂いて、数年前のように「なでしこリーグ」のチームと戦っているゲームも見たいと期待しているのですが?

  • 藤谷「う~ん。(笑)毎年、予選では決勝ぐらいまで勝ち進んでいるんですが、最後のところで負けてしまっておりまして。本選出場することが難しい大会ですね。(笑)でも、何とか今年は出場出来るよう頑張ります。」

  • -最後になりますが、秋季リーグに向けて原選手以外で監督が注目されている選手がいらっしゃいましたらご紹介頂けますか?

  • 藤谷「そうですね。全員、素質があると判断して入部してもらって、ずっと期待をかけて育ててきた選手ばかりですので全選手に注目しています。」

  • -ユニバーシアードお疲れ様でした。初戦の対イタリアと準決勝の対ロシアの2試合でスターティングメンバーとして活躍されたわけですが、いかがでしたか大会に出場した感想は?

  • 「楽しかったです。イタリアとの試合は、初めての試合だったので凄く緊張ました。でも、次に出た準決勝のロシア戦では、雰囲気に慣れ、落ち着いてプレーすることが出来ました。シュートを打って得点を挙げる事をひとつの目標にしていて、残念ながら得点にはなりませんでしたけど、良いシュートが何本か打てたので良い思い出が出来ました。」

  • -イタリアのナポリで開催されたユニバ―シアードで対イタリアと言うことは、完全アウェイの状態ですよね?初戦、緊張の原因はそのあたりが原因ですか?

  • 「確かにイタリアチームの応援が多かったと思いますが、キックオフ後は、試合に集中していたので、特にそのあたりは気にならなかったです。それに、会場に何人かの人が応援に来られていて、国旗なんかを振って声援を贈ってもらえたので、それが大きな力になりました。」

  • -代表チームのメンバー候補として呼ばれてから選考会が何度もあって、最終的に正式にメンバーとして決定されるまで本当に長い時間がかかったそうですが、その間の心境ってどういうものなのでしょう?また、原さんの場合、2年前にも選考会を経験されているので他の選手よりはリラックスして過ごすことが出来たのでしょうか?

  • 「いえいえ。リラックスなんてことはありません。最後までドキドキで、最終選考で25人から20人にまで絞られたんですが、私のポジションのMFから3人ぐらいが選考から落ちました。せっかく最終選考まで残ったんだから代表選手として最後まで残りたい気持ちは全員にあったと思います。私を含めた全員がピリピリしたムードの中、最終選考発表までの日を過ごしました。」

  • -代表入りが決まってご両親に報告された時は、どんなご様子でしたか?

  • 「母は、『よかったなぁ。』と何度も言ってくれました。父は、普段から口数が少ないので特に言葉としてなかったですけど、やはり喜んでくれていたと思います。」

  • -普段、お父さんやお母さんは、試合観戦や応援に来られますか?

  • 「はい。試合の度に両親とも応援に来ます。ただ、高校1年生の頃は、まだメンバーにも入れてもらえていなくて、(試合に)出るはずもないのに、それでも応援に来てくれていたので、その時は恥ずかしくてイヤでした。『応援に来るのを止めて』と言ったこともあります。(笑) でも、高校2年以降に試合に出してもらえるようになってから、応援に駆けつけてもらったことを感謝するようになりました。」

  • -サッカーは、いつ頃始められましたか?何がキッカケになりましたか?

  • 「直接のキッカケって特にありませんけど、小学校3年の頃にボールを蹴るのが楽しくて、自分から両親に頼んで、自宅近くにあったフットサルのスクールに入れてもらいました。その次の年から、6年生まで、地元の少年団に入って、男の子のチームでサッカーを続けました。中学に進む時には、強いチームでサッカーをやりたかったので、関西でも強豪の学校(精華中学)に中学受験しました。中高一貫の学校なので、本来なら、そのまま同じ学校でクラブを続けることになるんですけど、更に強いチームでプレーすることに憧れて日ノ本学園高校に進みました。」

  • -当時の日ノ本学園というと、インターハイで4連覇が始まる頃ですよね?高校でやるサッカーは、それまでのサッカーと違いはありましたか?また、日本一の強豪チームから本学に入学されましたが、きっかけはあったんですか?

    • 「中学までは、とにかく無我夢中でやっているサッカーでしたが、高校に入ってからは、ポゼッション(ボールを支配)するサッカーを教えられました。この大学に入ろうと思ったキッカケは、その当時から、練習試合や国体の代表練習で姫路獨協大学のサッカー部の方達と知り合いになっていましたので、大学でサッカーをやるならこのサッカー部が良いなと考えました。当時、高校の先輩だった方も何名か在籍されていましたし。」

    • -高校と大学で、サッカーの違いというのはありましたか?

    • 「高校の時に教えられたサッカーは、「個の力」で突破するようなものではなく、いかに相手を動かすかといった「考えるサッカー」でしたので、同じようなサッカーを目指すこの大学のチームにもスムーズに入って行くことが出来ました。ただ、高校生とは、体力が違うので「当たり」が強く、それに負けない体力が必要になった点が高校サッカーと大学サッカーの違いといえば違いだと思います。」

    • -原さんも4年生です。卒業後のことを決めて行かないといけない時期になりましたが、進路はもう決まりましたか?今後、サッカーとはどのように関わっていきたいと思っていますか?

    • 「昔から住宅関係に興味があったので、その関係の会社に就職を決めました。でもそこには、残念ながら、サッカー部がある会社ではないので、サッカーは大学で終わりです。仕事の合間に母校への恩返しの意味で指導のお手伝いが出来れば良いのですが、就職先が全国規模で支店を持っているところなので、それも難しいと思います。」

    • -それでは、秋季リーグ戦から始まる大学選手権、皇后杯が原さんのサッカー人生の集大成ということになりますね。

    • 「はい。関西学生女子秋季リーグの優勝とインカレでの昨年以上の成績を残すこと。それから皇后杯出場を目標に頑張ります。」

    • -最後に、これから本学に入学して女子サッカーを目指す後輩に一言お願いします。

    • 「もちろん、純粋にサッカーを楽しみたいという動機で入部してくれる後輩も良いのですが、具体的に『インカレに行きたい』とか勝ちたいという気持ちの強い人に入って欲しいと思います。私自身がそうだったので。」

    • -今日は、お忙しい中、インタビューに答えて頂いてありがとうございました。


    • 「ありがとうございました。」

    あとがき

    インタビューは、定期試験や次のシーズンに向かっての練習で本当にお忙しい中行われましたが、両名とも気さくに話して頂け、こちらとしてはたくさんの貴重なお話を聞くことができました。これも終始すてきな笑顔でお話頂いた両名(サッカー部全体がそうなのですが)の非常に明るいお人柄によるものと感謝しています。

    来年からは社会人として新しい世界に飛び込んで行かれる原さんのサッカー人生にとって、今秋のリーグ戦~インカレ・皇后杯予選は、大学を含めた十数年の集大成となります。今秋の終わりには素晴らしいご報告が聞けることを在学生やOB、OG、そして教職員の関係者すべてが期待しています。

    過去の記事

    藤谷監督・山口千尋さんユニバーシアード女子サッカー日本代表選出